2021年、ボイラー試験を受験にあたり過去問題をまとめる事で自己学習につなげています。今後、ボイラー受験を考えている人は、各科目ごとに問題の出題傾向がわかるので参考にしてください。
()内のコメントは、間違い部分のため、間違い部分の問題の提出傾向を覚えておくと、テスト時に活かせると思います。
複数回出た問題についてはマーカーで表記する
- ボイラーの構造について
- 計測器に関して
- 温度検出器について
- 圧力制御機器に関して
- 水位制御に関して
- 自動制御に関して
- 燃焼安全装置の火炎検出器に関して
- ボイラーのドラム制御について
- 熱及び蒸気に関して
- 重油を燃料とするボイラーにおいて、蒸発量が毎時2t、ボイラー効率が90%であるとき、低発熱量が41MJ/kgの重油の消費量の値は?ただし、発生蒸気の比エンタルピは2780kJ/kg、給水の温度は24℃である
- ボイラーの効率について、蒸発量5t/h、発生蒸気の比エンタルピ 2775kJ/kg、給水温度24℃、燃料の低発熱量39.6MJ/kg、燃料消費量375kg/h
- 蒸気圧力1.2Mpa、給水温度30℃、発生蒸気の湿り度0.05で、蒸発量4t/hのボイラーの換算蒸発量の値に最も近いのはどれか?ただし、絶対圧力1.3Mpaの飽和水の比エンタルピは815kJ/kg、蒸発熱は1972KJ/kgとする
- 水管ボイラーに関して
- 貫流ボイラーに関して
- 水管ボイラーの水循環に関して
- 鋳鉄製ボイラーについて
- ステーに関して
- ボイラーに使用する金属材料に関して
- ばね安全弁及び排気管に関して
- 炉筒煙管ボイラーに関して
- ボイラー各部の構造及び強さに関して
- 炉筒の構造、強度について
- 空気予熱器に関して
- ボイラーの付属品又は付属装置に関して
- 給水系統装置に関して
- 比例式蒸気圧力調節弁の比例帯設定目盛板を示す。蒸気圧力が0.60Mpaに設定され、比例帯設定指針が図の位置にあるとき、比例制御が行われる範囲はどれか
- 蒸発量5t/h、発生蒸気の比エンタルピ2780kJ/kg、給水温度24℃、ボイラー効率90%、燃料消費量370kg/hの時の低発熱量は?
- ボイラーの水位制御において、蒸気流量が増加して水面が下がる前に、蒸気流量の増加を検出して給水量を増加させる操作を行う。このように目標値と制御量の偏差によらず乱外などの情報に基づいて操作量を決定する制御をフィードフォワード制御という
- ボイラーの取扱い
- ボイラー運転中の取り扱いに関して
- ボイラーの蒸気圧力上昇時の取扱いについて
- ボイラーの送気開始及び運転中の取扱いに関して
- ボイラー起動、圧力上昇時の取扱いに関して
- 蒸気の送り始めの蒸気弁の開き方
- キャリーオーバーに関して
- ボイラーの燃焼の異常に関して
- ボイラーの水面計及び圧力計の取扱い
- ばね安全弁及び逃し弁・調整及び試験に関して
- ディフューザポンプの取扱いに関して
- ボイラーの自動制御装置の点検に関して
- ボイラー水の水位検出器の点検及び整備に関して
- ボイラー水中の不純物に関して
- ボイラー給水中の溶存気体の除去に関して
- ボイラー水の間欠吹出しに関して
- ボイラー休止中の保存方法について
- スートブローに関して
- 水質に関して
- ボイラーの清缶剤に関して
- 単純軟化法によるボイラー補給水の処理に関して
- 蒸発量が240kg/hの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が15mg/Lの給水を行い、10kg/hの連続吹出しを行う場合、ボイラー水の塩化物イオン濃度の値はいくらになるか?
- 蒸発量が280kg/hの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が15mg/Lの給水を行い、20kg/hの連続吹き出しを行う場合、ボイラー水の塩化物イオン濃度の値は、次のうちどれか
- 蒸発熱140kg/hの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が14mg/Lの給水を行い、10kg/hの連続吹き出しを行う場合、ボイラー水中の塩化物イオン濃度はいくらか
- 蒸発量が1日9tの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が14mg/Lの給水を行い、30kg/hの連続吹出しを行う場合、ボイラー水の塩化物イオン濃度の値は?
- 蒸発量が1日3tの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が14mg/Lno給水を行い、10kg/hの連続ブローを行う場合、ボイラーの塩化物イオン濃度の値は?
- ボイラーの腐食及び劣化・損傷に関して
- 電子を放出した鉄は、鉄イオンとなって水柱に溶出する。放出された電子は水と反応して水酸化イオンを生成する。鉄イオンと水酸化イオンは反応して水酸化第一鉄を生成し、さらに溶存酸素と反応して水酸化第二鉄となり腐食が進行する
- 燃料及び燃焼
- 燃料及び燃焼に関して
- 燃料の分析及び性質に関して
- 気体燃料に関して
- 燃料に関して
- 液体燃料に関して
- 液体燃料の供給装置に関して
- 重油の添加剤に関して
- 重油の性質に関して
- ボイラーの気体燃料に関して
- 重油の燃焼に関して
- ボイラーの通風に関して
- ボイラーの燃料の燃焼により発生する大気汚染物質に関して
- 空気比に関して
- 石炭に関して
- 石炭の燃焼装置に関して
- 流動層燃焼に関して
- 燃焼及び燃焼室に関して
- ガスバーナに関して
- 重油バーナに関して
- 油だきボイラーの燃焼室が具備すべき要件について
- 重油燃焼ボイラーの低温腐食について
- 液体燃料1kg当たりの理論酸素量O(m3)は、燃料1kgに含まれる炭素、水素、酸素及び硫黄の量をそれぞれc,h,o及びsとすれば、次式で表す
- 硫黄1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量の値は?、なお、硫黄が完全燃焼してから二流化硫黄になる反応式はS+O=SO2である
- 炭素1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量の近似値は?なお、炭素が完全燃焼して二酸化炭素になる反応式はC+O=CO2
- ファンに関して
- 燃焼により発生する煤塵に関して
- 排ガス中のNoxを低減する燃焼方法に関して
- 熱損失に関して
- 関係法令
- 伝熱面積の算出方法
- ボイラーの設置場所に関して
- 原則としてボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーは次のうちどれか
- 法令上、一級ボイラー技士取扱い作業主任者として選任できない作業はどれか
- ボイラー取扱作業主任者の責務
- 付属品の管理について
- ボイラー室の管理等に関して
- 定期自主検査について
- ボイラーの検査及び検査証の関して
- 変更届及び変更検査に関して
- 鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く)の安全弁及び逃し弁に関して
- 鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く)に取り付ける温度計・圧力計及び水面計に関して法令上誤っているものはどれか
- 鋼製ボイラー(小型ボイラー除く)の燃焼安全装置に関し、法令上誤っている事は
- 鋼製蒸気ボイラー(小型ボイラーを除く)の自動給水装置等に関して
- 鋼製蒸気ボイラー(貫流及び小型ボイラーを除く)の水面測定装置に関して
- 鋳鉄製ボイラー(小型ボイラーを除く)に関しての法令
ボイラーの構造について
計測器に関して
- ブルドン管圧力計は、断面が扁平な管を円弧上に曲げ、その一端を固定し他端を閉じ、その先に歯付き扇形片を取り付けて小歯車とかみ合わせたものである
- 差圧式流量計は、流体の流れている管の中にベンチュリ管又はオリフィスなどの絞り機構を挿入すると、流量がその入口と出口の差圧の平方根に比例する事を利用している
- 容積式流量計は、ケーシング内でだ円形歯車を2個組み合わせ、これを流体の流れによって回転させると、歯車とケーシング壁との間に空間部分の量だけ流体が流れ、流体が歯車の回転数に比例する事を利用している(H28 回転数の2乗に比例)
- 丸形ガラス水面計は、主として最高使用圧力1Mpa以下の丸ボイラーに用いられる
- 二色水面計は、光線の屈曲率の差を利用したもので、蒸気部は赤色に、水部は緑色に見える
- 平形反射式水面計は、ガラスの前面から見ると水部は光線が通っ白色に見え、蒸気部は反射されて黒色に光って見える
温度検出器について
- バイメタル式温度検出器は、熱膨張の異なる2種類の薄い金属板を張り合わせたバイメタルにより、接点をオンオフするもので、振動により誤差が出ることがあるが、直動式で応答速度が遅い(H28.応答速度が速い)
- 溶液密封式温度検出器は、感温体内の揮発性液体の温度変化による膨張・収縮を利用して、ベローズなどにより接点をオンオフするものである
- 溶液密封式温度検出器は、感温体内の揮発性液体の漏れや気圧の影響により誤差が出る事がある
- 溶液密封式温度検出器はの感温体は、直接ボイラー本体に取り付ける場合と、保護管を用いて取り付ける場合がある
- 保護管を用いて溶液密封式温度検出器の感温体をボイラー本体に取り付ける場合は、保護管内にシリコングリスなどを挿入して感度を良くする
- 測温抵抗体は、金属の電気抵抗が温度変化によって一定割合で変化する性質を利用して、温度を測定するもので、使用する金属には、温度に対する抵抗変化が一定であること、温度係数が大きいことなどの要件が必要である(温度に対する抵抗値は一定ではなく大きくとる)
- 熱電対は、2種類の材質の異なる金属線の両端を接合し閉回路を作ったもので、両端で温度差が生じると回路中に、その金属固有の熱起電力が発生する原理を利用して、温度を測定するものである。
圧力制御機器に関して
- オンオフ式蒸気圧力調節器は、蒸気圧力の変化によってベローズとばねが伸縮し、レバーが動いてマイクロスイッチなどを開閉する
- オンオフ式蒸気圧力調節器は、ベローズに直接蒸気が浸入しないように水を満たしたサイホン管を用いて取り付ける
- 電子式圧力センサは、金属ダイヤフラムで受けた(H28シリコンダイヤフラムではない)圧力を封入させた液体を介してシリコンダイヤフラムに伝え(金属ダイヤフラムではない)、そのシリコンダイヤフラムの変形に伴う抵抗の変化を利用し圧力を検出する
- 比例式蒸気圧力検出器の比例帯は、ボイラーの特性上蒸気の、使用状態などに応じてその幅を調節するが、制御を安定させるためには、条件が許す限り大きく設定する。
- 比例式蒸気圧力調節器は、一般にコントロールモータとの組み合わせにより、設定した比例帯の範囲で蒸気圧力を調整する
- 圧力制限器は 、ボイラーの蒸気圧力、燃焼用空気圧力、燃焼油圧力などが異常になった時、直ちに燃料を遮断するものである
水位制御に関して
- 水位制御の目的は、負荷が変動してもドラム水位を出来るだけ一定に保つことである
- ドラムの逆応答とは、蒸気流量が増えるとドラム水位が一時的に上がる特性の事をいう
- 単要素式は、ドラムの水位だけを検出し、これに応じて給水量を調整する方式である
- 三要素式は、ドラム水位、蒸気流量及び給水流量を検出し、これらに応じて給水量を調整する方式である
- 熱膨張管式水位調節装置には、単要素式と二要素域がある
自動制御に関して
- シーケンス制御はあらかじめ定められた順序に従って、制御の各段階を逐次進めていく制御である
- フィードバック制御は、出力側の信号を入力側に戻す事によって、制御量の値を目標値と比較し、一致させるように訂正動作を行う制御である
- オンオフ動作は、操作量が二つの値のいずれかを取る2位置動作のうち、その二つの値の一つをゼロとするものである
- 比例動作は、制御偏差の大きさに比例して操作量を増減するように動く動作でP動作ともいう
- 積分動作は、制御偏差量に比例した速度で操作量を増減するように働く動作で、I動作ともいう。
- 微分動作は、制御偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように働く動作で、D動作ともいう
燃焼安全装置の火炎検出器に関して
- 火炎検出器は、火炎の有無又は強弱を検出し、電気信号に変換するもので、あらかじめ定められた条件に適合する火炎だけを検出することが必要である
- フォトダイオードセルは、光起電力効果を利用したもので、ガス燃焼炎には適さないが、形状・寸法が小型であり、ガンタイプ油バーナなどに用いられる
- 整流式光電管は、光電子放出現象を利用したもので、油燃焼炎の検出に用いられるが、ガス燃焼炎には適さない
- 紫外線光電管は、光電子放出現象を利用したもので、感度が良く安定し、炉壁の放射による誤作動もなく、すべての燃料の燃焼炎の検出に用いられる
- フレームロッドは、火炎の導電作用を利用したもので、ロッドの使用制限温度による制約から点火用のガスバーナに用いられる
ボイラーのドラム制御について
- 水位制御の目的は、負荷が変動してもドラムの水位を出来るだけ一定に保つことである
- ドラム水位の逆応答とは、蒸気流量が増えるとドラムの水位が一時的に上がる特性の事をいう(H28.蒸気流量が増えるとドラム水位が一時的に下がる特性の事をいう)
- 単要素式とは、ドラム水位だけを検出し、これに応じて給水量を調節する方法
- 二要素式とは、ドラム水位及び蒸気流量を検出し、これに応じて給水流量を調節する方法である
- 熱膨張管式水位調節装置には、単要素式と二要素式がある
熱及び蒸気に関して
- 定圧比熱は>定容比熱(H28)
- 放射伝熱は、物体が保有する内部エネルギーの一部を電磁波の形で放出し、それが他の物体にあたり吸収される熱移動である
- 固定壁の表面とそれに接する流体との間の熱移動を熱伝達という。液体の沸騰・蒸気の凝固などの相対変化を伴う場合の熱伝達率は極めて大きい
- 過熱蒸気は、飽和蒸気をさらに過熱したもので、過熱蒸気の温度と同じ圧力の飽和蒸気の温度差を過熱度という
- 物体の比エンタルピh=内部エネルギー(U)+物体の圧力(P)×比体積(v)で表されるh=u+Pv
- 放射伝熱によって伝わる熱量は、高温物体の絶対温度の4乗と低温物体の絶対温度の4乗との差に比例する
- 水の飽和温度は、標準大気圧の時100℃で、圧力が高くなるほど高くなる
- 熱と仕事はともにエネルギーの形態で、熱量3.6MJは、電気的仕事量1kWhに相当する
- 飽和水の蒸発熱は、圧力が高くなるほど小さくなり、臨界圧力に達すると0になる
- 平板壁の熱伝達によって伝わる熱量は、壁の両側面の温度差及び伝熱面積に比例し、暑さに反比例する
- 蒸気タービンなどの蒸気原動機に、過熱度の高い過熱蒸気を使用すると、熱効率が向上するとともに、タービン翼の腐食などの故障を軽減することが出来る
重油を燃料とするボイラーにおいて、蒸発量が毎時2t、ボイラー効率が90%であるとき、低発熱量が41MJ/kgの重油の消費量の値は?ただし、発生蒸気の比エンタルピは2780kJ/kg、給水の温度は24℃である
- ボイラー効率=熱出力/燃料の入り熱×100
- 熱出力=蒸発熱×(蒸気の比エンタルピ-給水のエンタルピ) 燃料の入り熱=燃料消費量×燃料の低発熱量
- 90={2000×(2780-24×4.187)/(X×41000)}
- X=145.231kg/h
ボイラーの効率について、蒸発量5t/h、発生蒸気の比エンタルピ 2775kJ/kg、給水温度24℃、燃料の低発熱量39.6MJ/kg、燃料消費量375kg/h
- {5000×(2775-24×4.187)/375×39600}=0.90
蒸気圧力1.2Mpa、給水温度30℃、発生蒸気の湿り度0.05で、蒸発量4t/hのボイラーの換算蒸発量の値に最も近いのはどれか?ただし、絶対圧力1.3Mpaの飽和水の比エンタルピは815kJ/kg、蒸発熱は1972KJ/kgとする
- 実際蒸発量4000kg/h
- 発生蒸気の比エンタルピ=815+1972×(1-0.05)=2688.4
- 給水の比エンタルピ=30×4.187=125.61
- 換算蒸発量={4000×(2688.4-125.61)}/2257 (標準大気圧での蒸発熱2257kJ/kg)
- =4541.94kg/h ≒4.5t/h
水管ボイラーに関して
- 伝熱面積当たりの保有水量が小さいので、起動から所要蒸気を発生するまでが短い
- 一般に水冷壁構造であり、水冷壁管は、火炎からの強い放射熱を吸収し、高い蒸発率を示す放射伝熱面となるとともに、炉壁を保護する
- 自然循環式の大容量のボイラーには、対流形過熱器とともに火炉上方に放射熱を吸収する放射形過熱器をを設けたものがある
- 過熱器やエコノマイザを自由に配置できるほか、伝熱面積を大きくとることができ、一般にボイラー効率よい
- 高温高圧のボイラーでは、本体伝熱面の吸収熱量の割合が小さくなり、伝熱面積の大きい過熱器が設けられる(H28)
- 高温高圧ボイラーでは、、本体伝熱面が水冷壁管だけからなり、接触伝熱面が全くないか、又はわずかしかない放射ボイラーの形式をとる
- 蒸気ドラム1個と水ドラム2個の3胴刑のものは、蒸発量30t/h程度までの比較的小さなボイラーに用いられる
- 給水及びボイラー水処理に注意し、特に高圧ボイラーでは厳密な水管理を行う必要がある
- 高温高圧のボイラーでは、全吸収熱量のうち、高温ガスとの接触によって熱を受ける蒸発水管群で吸収される熱量の割合が小さい
貫流ボイラーに関して
- 貫流ボイラーは一連の長い管系で構成され、急須ポンプによって一端から押し込まれた水が順次、予熱、蒸発、過熱され、他端から過熱蒸気となって取り出される
- 貫流ボイラーは負荷変動により大きな圧力変動を生じやすいので、応答の早い給水量や燃焼量の自動制御を必要とする
- 超臨界式ボイラーでは、水の状態から沸騰現象を伴うことなく連続的に蒸気の状態に変化するので、汽水分離器は不要になる
- 貫流ボイラーでは、水管を、垂直以外にも水平や斜めに配置する事が出来る
- 貫流ボイラーでは、給水量と燃料量の比が変化すると、ボイラー出口の蒸気温度が激しく変化する
水管ボイラーの水循環に関して
- 水管と蒸気の間の熱伝達率は、水管と沸騰水の間の熱伝達率よりはるかに小さいので、運転流、水管内に発生蒸気が停滞すると、管壁温度が著しく高くなる
- 自然循環ボイラーの場合、循環力を大きくするには、下降管を加熱せず、また、蒸気ドラムと水ドラムの高さの差を大きくする
- 自然循環式ボイラーでは、熱負荷を増すと上昇管内の汽水混合物の平均密度が小さくなり、循環力が増すが、蒸発管出口の温度は上昇する(循環力低下は誤り)
- 自然循環式ボイラーでは、上昇管を上昇した蒸気は、蒸気ドラムで水分が分離された後に外部に供給され、その分の給水が蒸気ドラムに供給される
- 自然循環式ボイラーでは、ボイラーの運転圧力が低いほど蒸気の比体積が大きくなる為、循環比を大きくとる必要がある
鋳鉄製ボイラーについて
- 鋼製ボイラーに比べ、強度は弱いが腐食に強い
- ほとんどがウエットボトム式の構造
- 二重柱構造のセクションでは、ボイラー水の循環において、燃焼室側側柱が上昇管、外側側柱が下降管の役割を果たしている
- 鋳鉄製循環ボイラーでは、復水を循環使用するのを原則とし、給水管はハートフォード式連結式によって安全低水面の位置で返り管に取り付けられる(H28安全低水面の少し下と記載・逃がし管に取り付けると記載×)
- 暖房に温水ボイラーを使用する場合は、蒸気ボイラーを使用する場合に比べ、部屋ごとの温度調整が容易
- 重力式蒸気暖房帰り管では、低水位事故を防止するために、ハートフォード式連結方法がよく用いられる
ステーに関して
- ステーボルトは、機関車形のボイラーの内火室板の様に接近している平板の補強に使用される
- ガセットステーは、胴と鏡板に直接溶接によって取り付け、鏡板を胴で支える
- ガセットステーの配置にあたっては、ブリージングスペース(ステーと炉筒の間にスペースを設ける事)を十分にとる
- 管ステーは、煙管よりも厚い肉厚の鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける
- 管ステーを火炎に触れる部分に取り付ける場合には、焼損を防ぐために端部を縁曲げする
- ステーボルトには外側から知らせ穴をあけ、ステーが切れた場合にこの穴から蒸気が吹出し異常を知らせるようにする
- 管ステーは煙管を使用するボイラーに多く用いられ、煙管と同様に伝熱管の役割を兼ねる
ボイラーに使用する金属材料に関して
- 鋳鉄は、炭素量が通常2.5~4%程度の鉄・炭素合金で、溶融点が低く流動性が良いので複雑な形状のものを作ることが出来るが、鋳造や圧延はできない
- 鋳鋼は、弁その他形状が複雑なため機械加工が困難で、鋳鉄では強度が不足する部分に使用される
- 高炭素鋼は、焼き入れさせて硬化し割れが発生しやすいので、ボイラーには主として炭素0.1~0.3%程度の軟鋼が使用される
- 銅合金には、胴と亜鉛の合金の黄銅及び胴とすずの合金の青銅があるが、青銅の方が鋳造しやすく、バルブ、コックなどに使用される
- 合金鋼は引張強さ、クリープ強さ及び耐食性を改善するために炭素鋼に適量のニッケル、クロム、モリブデン、マンガンなどを添加したもので、ボイラーに使用される合金鋼にはステンレス鋼などがある(不純物のリンは入っていない)
ばね安全弁及び排気管に関して
- 安全弁の吹出し圧力は、調節ボルトを緩めたり締めたりして、ばねが弁体を便座に押し付ける力を変える事で調整する
- 安全弁は、蒸気流量を制限する構造によって、揚程式と全量式に分類される
- 安全弁はのど部の面積で吹出し面積が決まる(H28)
- 安全弁軸心から安全弁の排気管中心までの距離は、出来るだけ短くする
- 安弁全箱又は排気管の底部に歯、ドレン抜きを設ける。このドレン管には、弁を取り付けてはならない
- 安全弁の取付管台の内径は安全弁の入り口径と同径以上とする
炉筒煙管ボイラーに関して
- 炉筒煙管ボイラーは、他の丸ボイラーに比べ、構造が複雑で内部は狭く、清掃や検査が困難なため、良質な給水が必要である
- 炉筒煙管ボイラーの煙管には伝熱効果の大きいスパイラル管を用いているものが多い
- 炉筒煙管ボイラーのドライバック式は、後部煙室が胴の後部鏡板の外側に設けられた構造である
- ウエットバック式は、後部煙室が胴の内部に設けられ、その周囲が水で囲まれている
- 炉筒煙管ボイラーには、燃焼ガスが閉じられた炉筒後端で反転して前方に戻る戻り燃焼方式を採用し、燃焼効果を高めたものがある
- 炉筒煙管ボイラーには、すべて組み立てを製造工場で行い、完成した状態で運搬できるパッケージ形式にしたものが多い
- 戻り燃焼方式では、燃焼火炎が、炉筒前部から炉筒後部へ流れ、そして炉筒後部で反転して前方へ戻る一連の流れを2パスという
- 炉筒煙管ボイラーは、煙道にエコノマイザや空気予熱器を設け、ボイラー効率が90%に及ぶものがある
ボイラー各部の構造及び強さに関して
- 胴にだ円形のマンホールを設ける場合は、短径部を胴の長手方向に配置する
- 平鏡板は、内圧により曲げ応力が生じるので、大径のものや圧力の高いものはステーによって補強する
- 半だ円体刑鏡板は、胴材質、同径、同圧の場合、前半球形鏡板より強度が小さい(最も強度が強いのは全半球形鏡板)
- 炉筒の鏡板への取付は、一般に鏡板の炉筒取り付け部分を内方に折り込んで、突合わせ溶接によって行う
- 炉筒は、燃焼ガスによって加熱され長手方向に膨張しようとするが、鏡板によって拘束されるため圧縮応力が生じる
- 炉筒の圧壊を防止するため、波形炉筒を用いたり、平形炉筒の外周に補強リングを溶接したりする
- 銅板を薄肉円筒として取り扱う場合、長手方向の断面に生じる周方向の応力は、周方向の断面に生じる長手方向の応力の2倍となる
- 鏡板は、胴又はドラムの両端を覆っている部分をいい、煙管ボイラーのように管を取り付ける鏡板は、特に管板という(管寄せ×)
- 炉筒の圧壊を防止するため、波形炉筒を用いたり、平形炉筒の外周に補強リングを溶接したりする
炉筒の構造、強度について
- 炉筒は、燃焼ガスによって加熱され長手方向に膨張しようとするが、鏡板によって拘束されているため圧縮応力が生じる
- 炉筒は、外圧を受けるので、真円度が保たれ邸内と、圧力により変形が増し、圧壊を起こす恐れがある
- 平形炉筒では、圧壊を防止するため、外周に補強リングが溶接によって取り付けられる
- 平形炉筒では、熱応力を軽減するための伸縮接手の多くは、各節の接合部に設けられ、溶接によって取り付けられる
- 炉筒の鏡板への取付は、一般に鏡板の炉筒取り付け部分を内方へ折り込んで突合わせ溶接によって行いう
空気予熱器に関して
- 鋼板形の熱交換式空気予熱器は、鋼板を一定間隔に並べて端部を溶接し、1枚おきに空気及び燃焼ガスの通路を作成したものである
- 再生式空気予熱器は、熱交換式空気予熱器に比べ、空気側とガス側との間に漏れが多いが、コンパクトな形状にする事が出来る
- 再生式空気予熱器は、金属板の伝熱体を円筒内に収め、これを燃焼ガスと空気に交互に接触させて伝熱を行う
- ヒートパイプ式空気予熱器は、金属製の管の中にアンモニア、水などの熱媒体を減圧して封入し、高温側で熱媒体を蒸発させ、低温側で熱媒体蒸気を凝縮させて、熱を移動させる。
- 空気予熱器を設置することにより過剰空気量が少なくて済み、燃焼効率が上昇する
- 空気予熱器の設置による通風抵抗の増加は、エコノマイザの設置による通風抵抗の増加より大きい
- 空気予熱器を設置すると、通風抵抗は増加するが、燃焼温度が高くなる為NOxの発生が増加する
- 併用設置する場合は、ボイラー→エコノマイザ→空気予熱器
ボイラーの付属品又は付属装置に関して
- 沸水防止管は、多数の穴の開いたパイプの上部から蒸気を取り入れ、蒸気流の方向を変えて水滴を蒸気から振り切るようにしたものである
- 脱気器は、給水中の酸素などの溶存気体を取り除くもので、給水ポンプの吸込み側に設けられる
- スクラバは、波板を重ねたものに蒸気を通し、水滴を波板に衝突させて分離するものである
- 給水加熱器は、タービンからの蒸気やその他の蒸気で給水を予熱するものである
- 変圧式スチームアキュームレータは、余分の蒸気を飽和水の状態にして蓄えるもので、送気系統中に設けられる(過剰蒸気と記載は×)
- バケット式蒸気トラップは、ドレンの存在が直接トラップ弁を駆動するので、作動が迅速で信頼性が高い
- 主蒸気管の配置にあたっては、曲がり部に十分な半径を持たせ、ドレンのたまる部位がないように傾斜をつけるとともに、要所に蒸気トラップを設ける
- デミスタは、金網を重ねた物に蒸気をとおし蒸気中の水滴を分離するもので、汽水分離器の一種である
- 給水内管は、一般に長い鋼管に多数の穴を設けたもので、胴又は蒸気ドラム内の安全低水面よりやや下方に取り付ける
- 大形ボイラー及び高圧ボイラーでは、2個の風呂弁を直列に設け、ボイラーに近い方を急開弁、遠い方を漸開弁とする
給水系統装置に関して
- 給水ポンプの過熱防止装置は、ポンプ吐出量を絞り込みすぎた場合に、過熱防止弁などにより吹出ししようとする水の一部を吸込み側に戻す装置である。
- 渦巻ポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のない遠心ポンプで、一般に低圧ボイラーなどの給水に用いられる
- ディフューザポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のある遠心ポンプで、高圧のボイラーには多段ディフューザポンプが用いられる
- 渦流ポンプは、円周流ポンプとも呼ばれているので、小容量の蒸気ボイラーなどの給水に用いられる
- 脱気器は、物理的脱気法により給水を脱気する装置で、過熱脱気器などがある
- 給水弁と給水逆止め弁をボイラーに取り付ける場合は、給水弁をボイラー側に近い側に、給水逆止め弁を給水ポンプに近い側に取り付ける
- 遠心ポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のある遠心ポンプで、一般に低圧のボイラー給水に用いる
- 遠心ポンプは、湾曲した多数の羽根を有する羽根車をケーシング内で回転させ、遠心作用によって水に圧力及び速度エネルギを与えるものである
- 遠心ポンプを初めて起動するときは、ポンプ及び給水管内に呼び水を満たしてから起動する
- 給水弁にはアングル弁又は玉形弁が用いられ、給水逆止め弁にはリフト式又はスイング式の弁が用いられる
比例式蒸気圧力調節弁の比例帯設定目盛板を示す。蒸気圧力が0.60Mpaに設定され、比例帯設定指針が図の位置にあるとき、比例制御が行われる範囲はどれか
- 圧力範囲:0.34-0.10
- 1目盛の圧力は、0.24/6=0.04Mpa
- Bの圧力は0.18Mpa
- 設定圧力は0.6Mpaなので、0.6Mpa~0.78Mpaの間で比例制御が行われる
蒸発量5t/h、発生蒸気の比エンタルピ2780kJ/kg、給水温度24℃、ボイラー効率90%、燃料消費量370kg/hの時の低発熱量は?
- 90=5000×(2780-24×4.187)/(370×燃料の低発熱量)×100
- 燃料の低発熱量=40232.9kJ/kg 40.2MJ/kg
ボイラーの水位制御において、蒸気流量が増加して水面が下がる前に、蒸気流量の増加を検出して給水量を増加させる操作を行う。このように目標値と制御量の偏差によらず乱外などの情報に基づいて操作量を決定する制御をフィードフォワード制御という
ボイラーの取扱い
ボイラー運転中の取り扱いに関して
- 二組の水位計の水位を対比し、差異を認めたときは、水面計の機能試験を行う
- 水面計の水位に全く動きがない場合は、元弁が閉まっているか、水側連絡管も詰まりが生じている可能性がある為、直ちに水面計の機能試験を行う
- 燃焼量が増すときは、空気量を先に増してから燃料供給量を増す
- 炉筒煙管ボイラーの安全低水面は、煙管最高部より炉筒が高い場合は、炉筒最高部(フランジ部を除く)の上100mmの位置とする(H28.炉筒最高部からの高さの75mm以上と違う)
- 給水ポンプの出口側の圧力計により給水圧力を監視し、ボイラーの圧力との差が増加気味の時は、給水管路が詰まっていないかを調べる
- ボイラーの水位は出来るだけ一定に保つう勤め、どうしても水位が低下する場合は燃焼を抑えて原因を調べる
ボイラーの蒸気圧力上昇時の取扱いについて
- 常温の水から炊き始める時の圧力上昇は、初めは遅く、次第に早くなるようにして、ボイラー本体各部の温度上昇が均等になるようにする
- 空気予熱器に漏れなどを生じさせないために、燃焼初期は出来る限り低燃焼とし、低燃焼中は空気予熱器の出口ガス温度を監視して、空気予熱器内での異常燃焼を防ぐ
- 水循環装置のあるエコノマイザでは、燃焼ガスを通す前に、エコノマイザ出口から給水タンクへの循環ラインを開放し、内部の水を循環させる
- ボイラー水の温度が高くなってくると水位が上昇するので、高水位となったらボイラー水を輩出して常用水位へ戻す
- 蒸気が十分発生し、蒸気の圧力が0.1Mpaを超えてから、空気抜き弁を閉じる(空気抜き弁を開いた状態で昇圧したら閉じる)
ボイラーの送気開始及び運転中の取扱いに関して
- 送気開始時は、ドレンを切り、暖管を十分に行った後、主蒸気弁を段階的に開き、弁を全開状態にした後、少し戻して送気する(少し戻して送気するという文言なし)
- 運転中は、二組の水面計の水位を対比し、差異を認めたときは、水面計の機能試験を行う
- 運転中、水面計の水位に全く動きがない時は、元弁が閉まっているか又は水側連絡管につまりが生じている可能性があるので、直ちに水面計の機能試験を行う
- 運転中は、ボイラーの水位を出来るだけ一定に保つように努め、どうしても水位が低下する場合は、燃焼を抑えて原因を調べる
- 送気し始めるとボイラーの圧力が降下するので、圧力計を見ながら燃焼量を調節する
ボイラー起動、圧力上昇時の取扱いに関して
- A重油は常温でも良好に噴霧する事が出来るが、B重油は50~60℃、C重油は80~105℃位の油温にしておくことが重要である
- 常温の水か炊き始める時の圧力上昇は、初めは遅く、次第に早くなるようにして、ボイラー本体各部の温度上昇が平均するようにする
- 空気予熱器に漏れ等を生じさせないため、燃焼初期はできる限り低燃焼とし、低燃焼中は空気予熱器の出口ガス温度を監視して、空気予熱器内での異常燃焼を防ぐ
- ボイラー水の温度が高くなってくると、水位が上昇するので、高水位となったらボイラー水を輩出して常用水位へ戻す
- 閉止している主蒸気弁を開き、送気を始める時は、ウォータハンマを起こさないように主蒸気管を少しずつ温め、ドレンを切りながら徐々に送気量を増やす
蒸気の送り始めの蒸気弁の開き方
- 主蒸気管・蒸気だめ等にあるドレン弁を開放し、ドレンを完全に排出する
- 大口径の主蒸気弁に小口径のバイパス弁が設けられている場合、バイパス弁を開いて蒸気を送り、暖管する
- 他のボイラーの蒸気が共通の蒸気だめに連絡しているときは、蒸気だめ側の蒸気止め弁を少し開いて主蒸気管に逆送し、暖管する
- 暖管を良く行った後、主蒸気弁を初めはわずかに開き、次に時間をかけて段階的に開いていく
- 主蒸気弁を全開にした後、少し戻して送気する
キャリーオーバーに関して
- ホーミングはボイラー水に溶解した蒸発残留物などが過度に濃縮したときや有機物が存在するときに生じやすい
- キャリーオーバーは、蒸気室負荷が大きいほど生じやすい
- シリカは、蒸気圧力が高いほど、また、ボイラー水中のシリカ濃度が高いほど飽和蒸気に溶解しやすい
- プライミングやホーミングが急激に生じると、水位が上がったものと水位制御装置が認識し、低水位事故を起こす恐れがある
- キャリーオーバーが生じ、過熱器にボイラー水が入ると、蒸気温度が低下したり、過熱器管が焼損する事がある
- ホーミングが生じたときは、圧力計、水面計を見ながら主蒸気弁などを徐々に絞る(H28.主蒸気弁を全開にして泡立ちをなくす)
ボイラーの燃焼の異常に関して
- 不完全燃焼による未燃のすすが、燃焼室以外の燃焼ガス通路で燃焼することがあり、これを二次燃焼(「スートファイヤ」)という
- 二次燃焼を起こすと、ボイラーの燃焼状態が不完全となったり、耐火材、ケーシングなどを焼損させることがある
- 燃焼中に、燃焼室又は煙道内で連続的な低周波のうなりを発する現象を「かまなり」という
- 「かまなり」の原因としては、燃焼によるもの、ガスの偏流によるもの、渦によるものが考えられる
- 火炎が息づく原因としては、燃料油圧や油温の変動、燃料調節弁や風量調節用ダンパのハンチングなどが考えられる
- 火炎が長すぎる場合は、空気の不足、燃料と空気の攪拌不足、バーナノズル部の不良などが考えられる(H28.空気の過剰と記載)
- 火炎が赤い場合は、空気の不足、燃料と空気の攪拌不良、バーナノズル部の不良などが考えられる
ボイラーの水面計及び圧力計の取扱い
- 運転開始時の水面計の機能試験は、残圧がある場合は点火直前に行い、残圧がない場合は圧力が上がり始めたときに行う(H28.記載が逆)
- 水面計を取り付ける水柱管の水側連絡管は、ボイラー本体から水柱管に向かって下がり勾配となることを避ける(水平又は上がり勾配)
- 水面計が水柱管に取り付けられている場合、連絡管の途中にある止め弁は全開にし、弁のハンドルを取り外しておく
- 圧力計の位置がボイラー本体から離れており、長い連絡管を使用する場合は、連絡管の途中に止め弁を設け、止め弁を全開して、施錠するか弁のハンドルを取り外しておく(連絡の途中に止め弁を設けないのは誤り)
- 圧力計のサイホン管の垂直部にはコックを取り付け、ハンドルが管軸と同じ方向のときにコックが開くようにする
- 圧力計は、原則として毎年1回、圧力計試験機による試験を行うか、試験専用の圧力計を用いて比較試験を行う
ばね安全弁及び逃し弁・調整及び試験に関して
- 調節ボルトを定められた位置に設定した後、ボイラーの圧力をゆっくり上昇させて安全弁を作動させ、吹出し圧力及び止まり圧力を確認する
- 安全弁の吹出し圧力が設定圧力よりも低い場合は、いったんボイラーの設定圧力を80%程度まで下げ、調節ボルトを締めて、再度試験を行う
- ボイラー本体に安全弁が2個ある場合は、1個を最高使用圧力以下で先に作動するように調整し、他の1個を最高使用圧力の3%増以下で作動するように調節する事が出来る
- エコノマイザの逃し弁(安全弁)は、必要がある場合に出口に取り付け、ボイラー本体の安全弁より高い圧力で作動するように調整する
- 過熱器用の安全弁は、過熱器の焼損を防ぐため、ボイラー本体の安全弁より先に作動するように調整する
- 最高使用圧力の異なるボイラーが連絡している場合で、各ボイラーの安全弁をそれぞれの最高使用圧力に調整したいときは、圧力の低いボイラー側に蒸気逆止め弁を設ける(H28.圧力の高いボイラー側に蒸気逆止め弁を設けると記載)
- 最高使用圧力の異なるボイラーを連絡している場合、各ボイラーの安全弁は最高使用圧力の最も低いボイラーを基準に調整する
- 安全弁の手動試験は、最高使用圧力の75%以上の圧力で行う
ディフューザポンプの取扱いに関して
- グランドパッキンシール式の軸については、運転中少量の水が連続して滴下する程度にパッキンが締まっていて、締め代が残っている事を確認する
- 起動するときは、吹出し弁を全閉し、吸込み弁を全開にした状態で行い、ポンプの回転と水圧が正常になったら吹出し弁を徐々に開き、全開する
- 運転中は、振動、異音、偏芯、軸受けの過熱、油漏れなどの有無を点検する
- 運転中は、ポンプの吹出し圧力、流量及び負荷電流が適正であることを確認する
- 運転を停止するときは、吹出し弁を徐々に閉め、全閉してからポンプ駆動用電動機を止める
ボイラーの自動制御装置の点検に関して
- 燃料遮断弁は、燃料漏れがないか点検するとともに、電磁コイルの絶縁抵抗を測定することにより、漏電がないか点検する
- コントロールモータは、これと燃料調節弁、空気ダンパとの連結機構に、固定ねじのゆるみ、外れ及び位置のずれがないか点検する
- 比例式調節器では、内臓しているすべり抵抗器のワイパの接触不良、抵抗線の汚損、焼損、断線などが生じていないか点検する
- オンオフ式圧力調節器は、同さ隙間を小さくしすぎるとハンチングを起こし足り、リレーなどの寿命が短くなるので、適正な隙間であるか点検する
- 熱膨張管式水位調節装置の水側連絡管は、十分な放熱状態にあるか点検する
ボイラー水の水位検出器の点検及び整備に関して
- 1日に1回以上、ボイラー水の水位を上下させることにより、水位検出器の作動状況を調べる
- 電極式では、検出筒内の水のブローを1日1回以上行い、水の純度の上昇による電気伝導率の低下を防ぐ
- 電極式では、6か月に1回程度、検出筒を分解し内部清掃を行うと共に、電極棒を目の細かいサンドペーパーで磨く
- フロート式では、1日に1回以上のフロート室のブローを行う
- フロート式では、6か月に1回程度、フロート室を分解し、フロート室のスラッジやスケールを除去するとともに、フロートの破れ、シャフトの曲がりなどがあれば補修を行う
- フロート式のマイクロスイッチの端子間の電極抵抗は、スイッチが閉の時は抵抗がゼロ、開の時は無限大であることをテスターでチェックする(開・閉時の記載が逆)
ボイラー水中の不純物に関して
- スケールは、溶解性蒸発残留物が濃縮されて析出し、管壁などの伝熱面に固着したもの
- スラッジは、主としてカルシウムやマグネシウムの炭酸水素塩の熱分解や清缶剤添加により生じる炭酸塩、リン酸塩などの軟質沈殿物である
- ボイラー水の吹出しが適切に行われていないときは、スラッジが水循環の緩慢な箇所にたまり、腐食、過食などの原因となる
- スケールの熱伝導率は、軟鋼の1/20~1/100程度であり、伝熱面にスケールが付着すると、ボイラー水による伝熱面の冷却が不十分となり、伝熱面の温度が上昇する
- 硫酸塩類やケイ酸塩類のスケールは、ボイラー内で次第に濃縮されて飽和状態となって析出し、伝熱面に付着して過熱や熱効率の低下の原因となる(軟質沈殿物ではない)
ボイラー給水中の溶存気体の除去に関して
- 膜脱気法は、高分子気体透過幕の片側に水を供給し、反対側を真空にして、溶存気体を除去する方法である
- 真空脱気法は、水を真空雰囲気にさらす事によって溶存気体を除去する方法である
- 加熱脱気法は、水を加熱し、溶存気体を減少させて除去する方法である
- 窒素置換脱気法は、水中に窒素を吹き込むことにより、酸素の分圧を下げて溶存さんを除去する方法である
- 化学的脱気法は、脱酸素剤として、タンニン、亜硫酸ナトリウムなどを用いて、溶存酸素を除去する方法である
ボイラー水の間欠吹出しに関して
- 吹出し装置は、スケールやスラッジにより詰まる事があるので、適示吹出しを行ってその機能を確認する
- 1人で2基以上のボイラーの吹き出しを同時に行ってはならない
- 給湯用または、閉回路で使用する温水ボイラーの吹出しは、酸化鉄、スラッジなどの沈殿を考慮し、ボイラー休止中に適示行う(鋳鉄製ボイラーについては吹出しの必要はない)
- 吹出しが終了したときは、吹出し弁又はコックを確実に閉じた後、吹出し管の開口端を点検し、漏れていないことを確認する
- 直列に設けられている2個の吹出し弁又はコックを閉じるときは、ボイラーから遠い方を先に閉じる
- 鋳鉄製ボイラーのボイラー水の一部を入れ替える場合は、燃焼をしばらく停止しているときに行う
- ボイラーの運転中に水冷壁の吹出しを行うと、水循環を乱して水管を過熱させる
ボイラー休止中の保存方法について
- 乾燥保存法では、ボイラー内に蒸気や水が浸入しないように蒸気管及び給水管のフランジ接手部に閉止板を挟むなどにより、確実に外部との連絡を絶つ
- 乾燥保存法では、吸湿剤として活性アルミナ・シリカゲルなどを容器に入れてボイラー内の数か所に置き、ボイラーを密閉する
- 短期満水保存法では、ボイラーの停止前にボイラーの水の分析を行い、PH、リン酸イオン濃度、亜硫酸イオン濃度などを標準値の上限近くに保持する
- 満水保存方法では、休止期間が3か月程度以内の場合、また大形のボイラーで乾燥保存法が困難な場合に採用されるが、凍結の恐れがある場合には採用してはならない。短期満水保存法は、休止期間が2週間未満の場合に採用される(凍結する場合は×)
- 長期満水保存法で、1か月以上の期間保存する場合、窒素封入を併用する方法をとると、過熱器やエコノマイザに対しても防食上有効である
スートブローに関して
- スートブローは、主としてボイラーの水管外面などに付着するすすの除去を目的として行う
- スートブローの蒸気は、ドレンを切り乾燥したものを用いる(H28.ドレンを含んだものと記載)
- スートブローは、最大負荷よりやや低い負荷のところで行う
- スートブローは、一か所に長く吹き付けないようもして行う
- スートブローが複数の場合は、原則として燃焼ガスの流れに沿って上流側からスートブローを行う
水質に関して
- 水が酸性かアルカリ性かは、水中の水素イオンと水酸化物イオン濃度によって定まり、この程度を表示する方法として水素イオン指数phが用いられる
- 硬度は、水中のカルシウムイオン及びマグネシウムイオンの量を、これに対する炭酸カルシウムの量に換算して試料1L中のmg数で表す
- 全硬度は、カルシウム硬度とマグネシウム硬度を合計したものである
- 常温(25℃)でPHが7未満の場合は酸性、7は中性、7を超えるものはアルカリ性である
- カルシウム硬度は、水中のカルシウムイオンの量を、これに対応する炭酸カルシウムの量に換算して試料1L中のmgで表す
- 濁度は、水中に懸濁する不純物によって水が濁る程度を示すもので、濁度1は、精製水1Lに白陶土(カリオン)1mgを含む濁りである
- 酸消費量(PH4.8)を測定する場合は、メチルレッド溶液を指示薬として用いる(H28.酸消費量(PH4.8)フェノールフタレイン溶液を指示薬と記載酸消費量8.3→フェノールフタレイン溶液)
- 電気伝導率は、その単位がS/m、mS/m、μS/mなどで表され、ボイラー水の電気伝導率を測定する事により、水中の電解質の濃度の概略値を求める事が出来る
ボイラーの清缶剤に関して
- 清缶剤は、ボイラー水中の硬度成分を不溶性の化合物(スラッジ)に変えるための薬剤である
- 軟化剤には、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどがある
- スラッジ分散剤は、ボイラー内で生成されるスラッジを微細な粒子にして、ブローによって排出しやいようにする薬剤である
- 高圧ボイラーの酸消費量付与剤としては、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム及びアンモニアが用いられる
- 溶存酸素1mg/Lの除去には、計算上は亜硫酸ナトリウム7.88mg/Lを要すが、実際はこれより多く用いる
- 高圧のボイラーでは、過剰に投入された亜硫酸ナトリウムが分解して無水亜硫酸や硫化水素を生成する恐れがある
- ヒドラジンは、ボイラーの溶解性蒸発残留物濃度を上昇させない利点がある為、高圧ボイラーに使用される
- 溶存酸素1mg/Lの除去には、計算上はヒドラジン1mg/Lを要すが、実際はこれより多く用いる
- 過剰に投入されたヒドラジンは、アンモニアと窒素に分解されるが、アンモニアが復水中に多量に含まれると銅系合金を腐食させる(アンモニアと二酸化炭素に分解されると記載、正しくはアンモニアと窒素)
単純軟化法によるボイラー補給水の処理に関して
- 単純軟化法では、水中のカルシウム及びマグネシウムを除去する事が出来る
- 軟化装置は、給水中の硬度成分を除去する最も簡単な装置で、低圧ボイラーに多く使用される
- 軟化装置は、水を強酸性陽イオン交換樹脂を充填したNa塔に通過させ、水中の硬度成分を取り除くものである
- 軟化装置による処理水の残留硬度は、貫流点を超えると著しく増加してくる
- 軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂が交換能力を減じた場合、一般には食塩水で再生を行う
- 軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂の再生は、①逆洗②通薬③水洗の3工程で行う(H28.2工程と記載)
- 軟化装置の強酸性陽イオン交換樹脂は、1年に1回程度、鉄分による汚染などを調査し、樹脂の洗浄及び補充を行う
蒸発量が240kg/hの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が15mg/Lの給水を行い、10kg/hの連続吹出しを行う場合、ボイラー水の塩化物イオン濃度の値はいくらになるか?
- 1日の給水量:240×24=5.76t/日
- 1日のブロー量:10×24=0.24t/日
- (5.76+0.24)×1000×0.15=0.24×1000×X
- X=375mg/L
蒸発量が280kg/hの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が15mg/Lの給水を行い、20kg/hの連続吹き出しを行う場合、ボイラー水の塩化物イオン濃度の値は、次のうちどれか
- 1日の給水量:280×24=6.72t/日
- 1日のブロー量:20×24=0.48t/日
- (6.72+0.48)×1000×15=0.48×1000×X
- X=225mg/L
蒸発熱140kg/hの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が14mg/Lの給水を行い、10kg/hの連続吹き出しを行う場合、ボイラー水中の塩化物イオン濃度はいくらか
- 1日の給水量:140×24=3360 3.36t/日
- 1日のブロー量:10×24=240 0.24t/日
- (3.36+0.24)×1000×14=0.24×1000×X
- X=210mg/L
蒸発量が1日9tの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が14mg/Lの給水を行い、30kg/hの連続吹出しを行う場合、ボイラー水の塩化物イオン濃度の値は?
- 1日のブロー量:30×24=720t/日
- (9+0.72)1000×14=0.72×1000×X
- X=189mg/L
蒸発量が1日3tの炉筒煙管ボイラーに塩化物イオン濃度が14mg/Lno給水を行い、10kg/hの連続ブローを行う場合、ボイラーの塩化物イオン濃度の値は?
- 一日のブロー量:10×24=240
- (3+0.24)×14=0.24×1000×X
- X=189mg/L
ボイラーの腐食及び劣化・損傷に関して
- 苛性ぜい化は、管と管穴の間などの狭い隙間にボイラー水が浸水し、濃縮されてアルカリ濃度が高くなった時に、金属面の結晶粒界に割れが生じる現象である
- 圧壊は、円筒又は球体の部分が外側から圧力に耐えきれずに急激に押しつぶされて裂ける現象で、過熱された炉筒上面などに生じる
- グルービングは、細長く連続した溝状の腐食で、溝部の残存酸素による腐食とともに割れを伴うものがある(H28.不連続な溝、残存する二酸化炭素の作用)
- 膨出は、火炎に触れる水管などが過熱されて強度が低下し、内部の圧力に耐えきれずに外側に膨れ出る現象である(構造物の腐食ではない)
- 鋳鉄製ボイラーのセクションに割れが生じる原因は、無理な締め付け、不均一な加熱、急熱急冷による不同膨張などである
- アルカリ腐食は、熱負荷の高い管壁に近い部分などで水中の水酸化ナトリウムが高くなりすぎたときに生じる
- ピッチングは、米粒から豆粒大の点状の腐食で、主として水に溶存する酸素の作用いにより生じる
- ボイラー本体に割れが生じる原因は、過熱、過大な応力などである
電子を放出した鉄は、鉄イオンとなって水柱に溶出する。放出された電子は水と反応して水酸化イオンを生成する。鉄イオンと水酸化イオンは反応して水酸化第一鉄を生成し、さらに溶存酸素と反応して水酸化第二鉄となり腐食が進行する
燃料及び燃焼
燃料及び燃焼に関して
- 燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める温度を着火温度又は発火温度という
- 燃料を完全燃焼させた際に発生する熱量を発熱量と呼び、その単位は液体、固体燃料の場合はMJ/kg、気体燃料の場合はML/m3Nである
- 燃料成分の水素が燃焼して生成される水は、蒸気となり、発熱量の一部が蒸発潜熱として消費される
- 高発熱量は、水の蒸発潜熱を含めた蒸発量で、総発熱量ともいう
- 通常、固体燃料及び液体燃料の発熱量は断熱熱量計で、気体燃料の発熱量はユンカース式熱量計で測定する
燃料の分析及び性質に関して
- 液体燃料に小火炎を近づけたとき、瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度を引火点という
- 燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低温度を着火温度という
- 組成を示すときに、通常、液体燃料及び固体燃料のには元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる
- 高発熱量は、水の蒸発潜熱を含めた発熱量で、通常、熱量計による測定値は高発熱量である
- 低発熱量は、高発熱量から水の蒸発潜熱を差し引いた発熱量で、真発熱量ともいう。
- 断熱熱量計による燃料の発熱量の測定は、水槽中に沈めた耐圧容器内で燃料を完全燃焼させたときの発熱量を、水槽中の水の温度上昇から算出するものである
- 高発熱量と低発熱量の差は、燃焼中の水素及び水分の割合で決まる(H28.差は燃焼中の酸素及び炭素の差と記載)
気体燃料に関して
- 気体燃料は、空気との混合状態を比較的自由に設定でき、火炎の広がり、長さなどの火炎調節が容易である
- ガス火炎は、油火炎に比べ、耀度が低く、燃焼室での輝炎による放射伝熱量が少なく、菅群部での対流伝熱量が多い
- 天然ガスのうち湿性ガスは、メタン、エタンのほかプロパン以上の高級炭素水素を含み、その発熱量は乾性ガスより大きい
- LNGは液化間に脱硫、脱炭素プロセスで精製されるため、CO2・N2、H2Sなどの不純物を含まない
- LPGは硫黄分がほとんどなく、その発熱量は天然ガスより多い
- オフガスは、石油化学・石油精製工場における石油類の分解によって発生するガスで、水素を多く含み、その発熱量は高炉ガスより大きい
燃料に関して
- 灯油は重油に比べて、燃焼性が良く、硫黄分が少ない
- 重油の密度は、その温度条件を付して、t℃における密度を「密度(t℃)」と表す
- 重油は、密度の大きいものほど燃焼率が悪く、単位質量当たりの発熱量は小さい(H28.逆で記載)
- 重油の密度は温度が上がるほど小さくなる
- 燃料中の炭素・水素の質量比(C/H比)は、燃焼性を示す指標の一つで、これが大きいほど重油ほどすすを生じやすい
- 重油の引火点は、実際は平均100℃前後で、着火点は250℃~400℃程度である
液体燃料に関して
- 重油の密度は、その温度要件を付して、15℃又はt℃にける密度を「密度(15℃)」又は「密度(t℃)」として表す
- 重油は、密度の大きいものほど、燃焼性は悪く、単位質量当たりの発熱量が小さい
- 重油の密度は、粘土、引火点、残留炭素分、硫黄分、質素分などと互いに関連するが、温度が上がるほど密度は小さくなる
- 燃料中の炭素・水素の質量比(C/H比)は、燃焼性を示す指標の一つで、これが大きい重油ほどすすを生じやすい
- 実際の重油の引火点は平均100℃前後で、着火温度は250~400℃程度である
液体燃料の供給装置に関して
- サービスタンクは、工場内に分散する各燃焼設備に燃料油を円滑に供給する油だめの役目をするもので、フロート式の液面調節器が設けられる
- サービスタンクは容量は、一般にそれが供給する燃焼設備の定格油量の1週間分程度である
- オートクリーナは、フィルタ清掃用の回転ブラシを備えた単室長刑のストレーナで、比較的良質の燃料油のろ過に多く用いられる
- 噴燃ポンプは、燃料油をバーナから噴射するときに必要な圧力まで昇圧して供給するもので、ギアポンプやスクリューポンプが多く用いられる
- 噴燃ポンプには、吹出し圧力の過昇を防止するため、吹出し側と吸込み側の間に逃し弁が設けられる
- 主油過熱器は、噴霧ポンプの吹出し側に設けられ、バーナの構造にあった粘土になるように燃料油を加熱する
- 吹出し側のストレーナは、噴燃ポンプの吹出し側に設けられ、流量計、調節弁、遮断弁などの目詰まりを防ぐ
- 油遮断弁は、ボイラーの運転停止の際や、低水位塔の異常時に緊急にボイラーを停止する際に、バーナへの燃料を遮断する弁で、バーナの直前に設けられる
重油の添加剤に関して
- 燃焼促進剤は、触媒作用によって燃焼を促進し、ばいじんの発生を抑制する
- 水分分離剤は、油中に存在する水分を凝集して沈降分離する(表面活作用との記載は間違い)
- 水分分離剤は、油中にエマルジョン(乳化)状に存在する水分を凝縮し沈降分離する
- 流動点降下剤は、油の流動点を降下させ、低温における流動を確保する
- 低温腐食防止剤は、燃焼ガス中の三酸化硫黄と反応して非腐食物質に変え、腐食を防止する
- 高温腐食防止剤は、重油灰中のバナジウムと化合物を作り、灰の融点を上昇させて、水管などへの付着を抑制し、腐食を防止する
重油の性質に関して
- 重油の密度は、温度が高いと減少する
- 密度の小さい重油は、密度の大きい重油より一般に引火点が低い
- 重油の比熱は、温度及び密度によって変わる
- 重油の動粘度は、温度が上昇すると低くなる
- 密度の小さい重油は、密度の大きい重油より単位質量当たりの発熱量が大きい
ボイラーの気体燃料に関して
- 気体燃料は、石炭や液体燃料に比べて成分中の炭素に対する水素の比率が高い
- 気体燃料は、液体燃料と比べて発生する熱量が同じ場合、二酸化炭素の発生量が少ない
- 気体燃料は、燃焼中の硫黄分及び灰分が少なく、伝熱面や火炉壁を汚染する事がほとんどない
- ガス火炎は、油火炎に比べ輝度低く、燃焼室での輝炎による放射伝熱量が少なく、管郡部での対流伝熱量が多い(H28.燃焼室内での放射伝熱量が多く、対流伝熱量が少ないと記載)
- 天然ガスのうち乾性ガスは、可燃成分のほとんどがメタンで、その発熱量は湿性ガスより小さい(乾性ガス>湿性ガス)
- LNGは、液化前に脱硫・脱炭素プロセスで精製するため、CO2、N2、H2Sなどの不純物を含まない
- LPGは、硫黄分がほとんどなく、空気より重く、気化潜熱が大きく、その発熱量は天然ガスより大きい
- オフガスは、石油化学・石油精製工場における石油類の分類によって発生するガスで、水素を多く含み、その発熱量は高炉ガスより大きい
重油の燃焼に関して
- 粘土の高い重油は、過熱し重油の粘土を下げる事によって噴霧による油の微粒化が容易になる
- バーナで噴霧された油滴は、送入された空気と混合し、バーナタイルなどの放射熱により過熱されて徐々に気化し、温度が上昇して火炎を形成する
- 重油の過熱温度が高すぎると、炭化物生成の原因となる
- 重油の過熱温度が高すぎると、噴霧状態に村が出来、息づき燃焼となる
- 通風が強すぎる場合は、火炎に火花が生じやすい燃焼となる
ボイラーの通風に関して
- 煙突によって生じる自然通風力は、煙突の高さが高いほど、また、煙突内のガスの温度が高いほど大きくなる
- 人工通風は、自然通風に比べ、ボイラーなどの通風抵抗を大きくとることができ、菅群での燃焼ガス速度を上げ」、伝熱特性を向上させることができる
- 押し込み通風は、ファンを用いて燃焼用空気を大気圧より高い圧力をとして炉内に押し込むものである。一般に常温の空気を取扱い、所要動力が小さので広く用いられている
- 誘引通風は、煙道又は煙突入り口に設けたファンによって燃焼ガスを吸い出し煙突に放出するもので、燃焼ガスの外部への漏れ出しがない
- 平衡通風は、押し込み通風と誘引通風を併用した方式で、通常、燃焼室内を大気圧よりわずかに低い圧力に調節する
- 所要動力:押し込み通風<平衡通風<誘引通風
ボイラーの燃料の燃焼により発生する大気汚染物質に関して
- SOxは、人の呼吸器系統なのの障害を起こすほか、酸性雨の原因になる
- 排ガス中のNoxは大部分がNOであり、NO2は少量である
- ばいじんの人体への影響は、呼吸器の障害であり、慢性気管支炎の発症率に重大な影響を与える
- ばいじんは、燃焼の条件によって発生量が大きく変化するが、この燃焼条件は、燃料の症状、初期攪拌条件、火炉条件に大別される
- ばいじん発生の抑制には、空気比を適切に保ち、燃料と燃焼空気との混合を良好にする事、燃焼温度を高く保つこと、燃焼滞留時間を長く保つことが必要である
- フューエルNOxは、燃焼中の窒素化合物から酸化によって生じる
- 燃料を燃焼させる際に発生する個体微粒子には、すすとダストがある
- ダストは灰分が主体で、これに若干の未燃物が含まれたものである
- すすは燃焼反応が冷却などにより中断されたり、酸素が十分に供給されなかったりして、分解した炭素がそのまま遊離炭素として残存したもの
空気比に関して
- 空気比とは、理論空気量に対する実際空気量の比をいい、理論空気量をA0、実際空気量をA、空気比をmとするとA=mA0となる
- 空気比が変われば燃焼ガスの成分割合も変わってくる
- 液体燃料で完全燃焼の場合、乾き燃焼ガス中の酸素の体積割合をφ%とすると、空気比mの概算値はm≒21/(21-φ)で求めることが出来る
- 空気比が過大な場合には、燃焼温度が低下したり、排ガス量が多くなるなどの影響がある・NOxが多く発生する
- 空気比が過少の場合には、黒煙が出たり、燃焼効率が低下するなどの影響がある
- 一般に、空気比は、燃焼ガス中のCO2%を計測して判定するよりもO2%を計測して判定する方が合理的である
- 実際燃焼における空気比の概略値は、気体燃料で1.05~1.2、液体燃料で1.05~1.3である
石炭に関して
- 石炭が炉内で加熱されると、まず揮発分が放出され、長炎となって燃焼する
- 石炭を火格子上で燃焼させるとき、揮発分が放出された後に残るのが「おき」で、これは固定炭素が燃焼しているものである
- 固定炭素は、石炭の主成分をなすもので、石炭化度の進んだもの程多い
- 石炭の単位質量当たりの発熱量は、一般に石炭化度の進んだものほど大きい
- 石炭化度が低い石炭は、揮発分が多いため、分解温度になると一時多量のガスを放出する(H28.揮発性が少ない為発熱量は小さいと記載)
- 石炭化度が進んだものほど揮発分が少ない
- 無煙炭は、最も石炭化度が進ん石炭で、燃焼速度が遅いため燃焼滞留時間を長くする必要がある
- 石炭に含まれる灰分が多くなると燃焼に悪影響を及ぼす
- 石炭燃料比は、石炭化度の進んだものほど大きい
石炭の燃焼装置に関して
- 散布式ストーカでは、散布機により大粒径の石炭は遠くに、小粒径の石炭は近くに散布されるが、火格子は後部より前部に移動するので、大粒径の石炭に多くの燃焼時間が与えられる
- バブリング形流動層燃焼装置は、水冷壁で囲まれた燃焼室、底部の風箱及び空気分散板からなっている
- 直接式微粉炭供給装置は、石炭の粉砕後ただちにバーナに送る形式なので、微粉炭機が故障するとボイラーの運転に影響を与えることになる
- 貯槽式微粉炭供給方式は、バーナの負荷が変動しても微粉炭機を最高効率で運転出来る利点があるが、貯槽及びこれからバーナまでの付帯設備が必要である
- 微粉炭バーナは、一般に微粉炭を一次空気と予混合して炉内に噴出し、二次空気をバーナの周辺から噴出するものである
流動層燃焼に関して
- バブリング方式は、石炭などの燃料と砂、石灰石などを多孔板状に供給し、その下から加圧された空気を吹き上げて、流動化した状態で燃料を燃焼させるものである
- 流動層燃焼では、層内に石灰石を装入することにより、炉内脱硫が出来る
- 流動層燃焼は、屋内での伝熱性能が良いのでボイラーの伝熱面積が小さくて済むが、伝熱管の摩耗に対する対策が必要である
- 流動層燃焼では 、燃焼温度が850℃前後である為、Noxの発生が少ない
- 流動性方式では、バブリング方式よりも吹き上げの空気流速が早く、個体粒子は燃焼室外まで運ばれた後、捕集され再び燃焼室下部へ戻される
燃焼及び燃焼室に関して
- 理論燃焼温度とは、基準温度において、燃料が理論空気量で完全燃焼し、外部への熱損失がないと仮定した場合に到達すると考えられる燃焼ガス温度をいう。
- 理論燃焼温度は、燃料の低発熱量に比例し、燃焼ガスの平均低圧比熱に反比例する(H28.)
- 単位時間における燃焼室の単位容積あたりの発生熱量を燃焼室熱負荷という
- 微粉炭バーナを有する水管ボイラーの燃焼室尾負荷は、通常、油・ガスバーナを有する水管ボイラーのそれより小さい
- 実際燃焼温度は、燃料の種類、空気比、燃焼効率などの条件で大きく変わり、局部的な温度は1800℃に達する事もある
ガスバーナに関して
- ガスバーナに歯、拡散形と予混合形があるが、ボイラーにはほとんど拡散形が用いられる
- 予混合形パイロットガスバーナは、混合ガスの流速が速くなってもリテンションリングを設けているため火炎が吹き消える事がない
- 拡散形ガスバーナは、ガスと空気を別々に噴出させ拡散混合させながら燃焼させるもので、燃焼量の調整幅が広く、逆火の危険性が少ない(操作範囲は狭い×)
- センタータイプガスバーナは、空気流の中心にバーナ管を設け、バーナ管の先端に複数のガス噴射ノズルがあるもので、スタビラザで保炎する
- ガンタイプガスバーナは、バーナ、ファン、点火装置、燃焼安全装置、負荷制御装置などを一体化した中・小ボイラー用のバーナである
重油バーナに関して
- 蒸気噴霧式油バーナは、比較的高圧の蒸気を霧化媒体として燃料油を微粒化するもので、霧化特性が良く、油量調節範囲も広い(H28)
- ロータリーバーナは、高速で回転するカップ状の霧化筒により、油を筒の先端で放射状に飛散させ、筒の外側から噴出する空気流によって霧化するもので、中小容量のボイラーに用いられる。
- 低圧気流噴霧式油バーナは、旋回室の中心のノズルから噴射する燃料油を旋回する空気の遠心力によって微細化するもので、比較的小型のボイラーに用いられる(H28)
- 低圧噴霧式油バーナは、4~10kPaの比較的低圧の空気を霧化媒体として燃料油を微粒化するもので、蒸発量が約10t/H以下の比較的小容量のボイラーに用いられる
- ロータリーバーナは筒の内面が汚れると微粒化が悪くなる
- 戻り油形の圧力噴霧式油バーナは、負荷に関係なくほぼ同一油量を供給し、燃焼量を超える油量を油ポンプの吸込み側に戻すもので、油量調節範囲は、非戻り油形のものより広い
- 非戻り油形の圧力噴霧式油バーナは、ファンと圧力噴霧式油バーナの油量調節範囲は、戻り油式のものより狭く、最大油量時の油圧力が2Mpa付近のもので、1~1/2程度までである
- 噴霧式の油バーナのスタビライザは、燃料噴流と空気の初期混合部で、空気に渦流又は旋回流を与えて燃料噴流との接触を早め、着火を確実にし、燃料を安定させるものである
- ガンタイプ油バーナは、ファンと圧力噴霧式油バーナとを組み合わせたもので、蒸発量が3t/H程度以下の比較的小容量ボイラーに多く用いられる
- 圧力噴霧式油バーナは、油圧力が低くなるほど微粒化が悪くなるため、最大油量時の油圧力が2Mpa付近の非戻り油形バーナの油量調節範囲は、1~0.5程度までである
- 噴霧式油バーナのエアレジスタは、バーナから噴射される燃料油に燃焼用の空気を供給するとともに、これらを攪拌して火炎が安定するように空気流を調整するものである
油だきボイラーの燃焼室が具備すべき要件について
- 燃焼室は、燃料と空気との混合が有効に、かつ、急速に行われる構造であること
- 燃焼室は、燃焼ガスの炉内滞留時間を燃焼間欠時間より長くする事が出来る大きさであること
- 燃焼室は、バーナタイルを設けるなど、着火を容易にする構造であること
- 燃焼室に使用する耐火材は、予定の燃焼温度に耐え、長時間使用しても焼損、スラグの溶着などの障害が生じないものであること
- 燃焼室の炉壁は、空気や燃焼ガスの漏入、漏出がなく、放射熱損失の少ない構造であること
重油燃焼ボイラーの低温腐食について
- 軟鋼は、濃硫酸には耐えるが、希硫酸には激しく侵され腐食する
- 金属の表面温度が硫酸蒸気の露点以下になると、腐食量は急激に増加する
- 低空気比燃焼は、SO2からSO3への転換を抑制して燃焼ガスの露点を下げるので、低温腐食に効果がある
- エコノマイザの低温腐食防止対策として、給水加熱器の使用などにより、給水温度を高める方法がある
- 空気予熱器の低温腐食防止対策として、蒸気式空気予熱器を併用して、入口空気温度を上昇させる方法がある
- 空気予熱器の低温腐食対策として、空気予熱器の一部をバイパスさせて、出口ガス温度を上昇させる方法がある(入口×)
- 空気予熱器の低温腐食対策として、空気予熱器の伝熱板の材料に比較的耐食性の良いセラミックやエナメル被覆鋼を使用する方法がある
液体燃料1kg当たりの理論酸素量O(m3)は、燃料1kgに含まれる炭素、水素、酸素及び硫黄の量をそれぞれc,h,o及びsとすれば、次式で表す
- O=22.4/12c + 22.4/4(h-o/8) +22.4/32s
硫黄1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量の値は?、なお、硫黄が完全燃焼してから二流化硫黄になる反応式はS+O=SO2である
- 質量:S=32 O=16 SO2=62
- 体積: O=22.4m3SO2=22.4m3
- 理論酸素量=22.4/32=0.7m3n/kg
炭素1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量の近似値は?なお、炭素が完全燃焼して二酸化炭素になる反応式はC+O=CO2
224/12=1.87m3/N(C:質量12kg O2質量32kg
1.87/0.21≒8.9m3n/kg
ファンに関して
- ボイラーの通風に用いるファンは、比較的風圧が低く、送風量が大きい事が必要であり、さらには誘導ファンは、摩耗や腐食に強い事が必要である
- 多翼形ファンは、羽根車の外周近くに浅く幅長で前向きの羽根を多数設けたもので、効率が低い
- 多翼形ファンは、小型・軽量・安価であるが、高温・高圧・高速の送風には適さない
- 後ろ向きファンは、羽根車の主板及び側板の間に8~24枚の後ろ向きの羽根を設けたもので、効率が良く、大容量の送風に適する
- ラジアル形ファンは、中心の回転軸から放射状に6~12枚の平面状の羽根を設けたもので、効率は低いが、強度があり、摩耗、腐食に強い(H28)
燃焼により発生する煤塵に関して
- 燃料を燃焼させる際に発生する個体微粒子には、すすとダストがある
- すすは、燃焼反応が冷却などにより中断されたり、酸素が十分に供給されなかったりして、分解した炭素がそのまま遊離炭素として残存したものである。ダストは灰分が主体で、これに若干の未燃物が含まれたものである(H28.すす:冷却 ダスト:灰分)
- ばいじんは、燃焼条件によって発生量が大きく変化するが、この燃焼条件は、燃料の性状、初期攪拌条件および火炉条件に大別される
- ばいじん発生の抑制には、空気比を適切に保ち燃料と燃焼空気との混合を良好にする事、燃焼温度を高く保つ事及び燃焼滞留時間を長く保つ事が必要である
- ばいじんは、慢性気管支炎の発症率に大きな影響を与える
排ガス中のNoxを低減する燃焼方法に関して
- 燃焼によって生じるNoxは、燃焼性が適切な空気比で最大になり、空気比がそれより大きくても小さくても減少する
- 燃焼用空気を一次と二次に分けて供給し、燃焼を二段階で完結させて、Noxを低減させる方法がある
- 空気予熱器を設置しないで火炎温度を低下させてNoxを低減させる方法があり、この方法では排ガス熱は、エコノマイザを設置して回収する(エコノマイザと空気予熱器に関する記載が逆)
- 可能な限り理論空気量に近い空気比で燃焼させてNoxを低減する方法があり、省エネルギー対策にもなる
- 燃焼用空気に排ガスの一部を混合して燃焼ガスの体積を増し、酸素分圧比を下げるとともに燃焼温度を下げ、Noxを低減する方法がある
- 燃焼領域の一方を低空気比で燃焼し、他方を高空気比で燃焼して、全体として適切な空気比でボイラーを運転しNOxを低減する方法がある
熱損失に関して
- 不完全燃焼ガスに関する損失は、燃焼ガス中にCOやH2などの未燃ガスが残った時の損失である(H28.H2の記載が抜けている)
- ボイラー周壁からの放射熱損失は、ボイラーの容量が大きいほどその割合は小さい
- 燃えがら中の未燃分による損失は、油炊き及びガス炊きでは、ほぼゼロであるが、石炭の火格子燃焼では10%に及ぶものがある
- ボイラーの熱損失には、蒸気や温水の放出による損失も含まれる
- 空気比を小さくして完全燃焼させることは、排ガス熱による熱損失を小さくするために有効である
- 排ガス熱による損失は、煙突へ排出されるガスの保有熱による損失である
関係法令
伝熱面積の算出方法
- 伝熱面積には、過熱器、及び空気予熱器の面積は算出されない
- 水管ボイラーの水管(ひれ、スタッド等がなく、耐火レンガ等で覆われた部分がないものに限る)の伝熱面積は、水管の外径側の面積で算出する
- 水管ボイラーの耐火レンガで覆われた水管の伝熱面積は、管の外側の管面に対する投影面積で算出する
- 伝熱面積には、ドラムの面積は算入しない
- 伝熱面積には、エコノマイザの面積は算入しない(H28)
- 貫流ボイラーは、燃焼室入口から過熱器入口までの水管の燃焼ガス等に触れる面の面積で伝熱面積を算出する
- 立てボイラーの横管の伝熱面積は、横管の外径側の面積で算出する
- 鋳鉄製ボイラーの伝熱面積には、燃焼ガス等に触れるセクションのスタッドも、所定の算式で算定した面積を算入する
- 電気ボイラーは、電気設備容量20kWを1m2とみなして、その最大電気設備容量を換算した面積を伝熱面積として算定する
ボイラーの設置場所に関して
- 伝熱面積が3m2を超えるボイラーは、専用の建物の中の障壁で区画された場所に設置されなければならない
- ボイラーの最上部から天井部、配管その他のボイラーの上部にある構造物までの距離は、安全弁その他の付属品の検査及び取扱いに関して支障がない場合を除き、1.2m以上としなければならない
- 本体を被覆していないボイラー又は立てボイラーについては、ボイラーの外側から壁、配管その他のボイラーの側部にある構造物までの距離m以上としなければならない
- 胴の内径500mm以下で、かつ長さが1000mm以下の本体を被覆した内ボイラーは、ボイラーの外壁から壁、配管その他のボイラーの側部にある構造物までの距離を0.3m以上としなければならない
- ボイラーに附設された金属製の煙突又は煙道の外側から0.15m以内にある可燃性の物は、原則として金属以外の不燃性材料で被覆しなければならない
- ボイラー室に、障壁設置等の防火措置を講ずることなく燃料の重油を貯蔵するときは、これをボイラーの外側から2m以上離しておかなければならない
- ボイラーを取り扱う労働者が緊急の場合に避難するのに支障がない場合を除き、ボイラー室には出入口を2か所設けなければいけない
原則としてボイラー技士でなければ取り扱うことができないボイラーは次のうちどれか
- 伝熱面積が14m2の温水ボイラー
- ×伝熱面積が14m2以下の温水ボイラーは小規模ボイラーであり、ボイラー取扱技能講習を修了すれば取り扱うことが出来る
- 胴の内径が750mmで、その長さが1300mmの蒸気ボイラー
- ×胴の内径が750mm以下で、かつその長さが1300mm以下の蒸気ボイラーは小規模ボイラーであり ボイラー取扱技能講習を修了すれば取り扱うことが出来る
- 伝熱面積が30m2の汽水分離器を有する温水ボイラー
- × 伝熱面積が30m2以下の汽水分離器を有しない貫流ボイラーは小規模ボイラーであり、ボイラー取扱技能講習を修了すれば取り扱うことが出来る
- 内径が450mmでかつ、その内容積が0.5m3の汽水分離器を有する貫流ボイラー
- ○内径が400mmを超え、もしくは内容積が0.4m3を超える汽水分離器を有する貫流ボイラーは、ボイラー技士でなければ取り扱うことができる(伝熱面積30m2以下の貫流ボイラーは小規模ボイラーである)
- 伝熱面積が3m2の蒸気ボイラー
- ×伝熱面積が3m2以下の蒸気ボイラーは小規模ボイラーであり、ボイラー取扱技能講習を修了すれば取り扱うことが出来る
法令上、一級ボイラー技士取扱い作業主任者として選任できない作業はどれか
伝熱面積500m2未満となれば、1級ボイラー技士を取り扱作業主任者として選任できる。500m2以上は特級ボイラー技士
- 最高使用圧力1.2Mpa、伝熱面積245m2の蒸気ボイラー2基及び最高使用圧力0.2MPa、伝熱面積14m2の温水ボイラー1基の計3基のボイラーを取り扱う作業
- 245×2=490m2
- 伝熱面積が14m2以下の温水ボイラーについては、伝熱面積に算入しない
- 最高使用圧力1.1Mpa、最大電力設備容量600kWの電気ボイラー20基を取り扱う作業
- 400÷20×20=400m2
- 電気ボイラーについては、電力設備容量20kWを伝熱面積1m2とみなす
- 最高使用圧力1.6Mpa、伝熱面積180m2の排熱ボイラー6基を取り扱う作業
- 180÷2×6=480m2
- 排熱ボイラーについては、伝熱面積の1/2を乗じて得た値を伝熱面積としてみなす
- 最高使用圧力1.6Mpa,伝熱面積165m2の蒸気ボイラー3基及び最高使用圧力1.6MPa、伝熱面積30m2の貫流ボイラー1基の計4基のボイラーを取り扱う作業
- 165×3+30÷10×4=507m2
- 貫流ボイラーについては、伝熱面積の1/10を乗じて得た値を伝熱面積としてみなす
- 最高使用圧力3Mpa、伝熱面積490m2の蒸気ボイラー1基及び最高使用圧力0.2Mpa,伝熱面積3m2の蒸気ボイラー5基の計6基のボイラーを取り扱う作業
- 伝熱面積が3m2以下の蒸気ボイラーは伝熱面積に算入しない
ボイラー取扱作業主任者の責務
- 1日に1回以上水面測定装置の機能を点検する(H28.安全弁に関して吹出し試験を行うのは誤り)
- 急激な負荷の変動を与えないこと
- 低水位燃料遮断装置、火炎検出装置その他の自動制御装置を点検し、調整すること
- 最高使用圧力を超えて圧力を上昇させないこと
- 給水装置の機能の保持に努める事
- 排出されるばい煙の測定濃度及びボイラー取扱中における異常の有無を記録すること
- 圧力、水位及び燃焼状態を監視する事
付属品の管理について
- 燃焼ガスに触れる給水管、吹出し管及び水面測定装置の連絡管は、耐火材量で防護しなければならない(H28.耐火材量でなく不燃性材料と記載)
- 圧力計は、使用中その機能を害することがないような振動を受ける事がないようにし、かつその内部が凍結し、又は80℃以上の温度にならない措置を講じなければならない
- 蒸気ボイラーの常用水位は、ガラス水面計又はこれに接近した位置に現在水位と比較することができるように表示しなければならない
- 圧力計の目盛りには。ボイラーの最高使用圧力を示す位置に見やすい表示をしなければならない
- 温水ボイラーの返り管は、凍結しないように保温その他の措置を講じなければならない(蒸気ボイラーではない)
ボイラー室の管理等に関して
- ボイラー室その他のボイラー設置場所には、関係者以外の者がみだらに立ち入ることを禁止し、かつ、その旨を見やすい箇所に掲示しなければならない
- ボイラー室には、ボイラー検査証並びにボイラー取扱作業主任者の資格及び氏名を見やすい箇所に掲示しなければならない
- 燃焼室、煙道等のレンガに割れが生じ、又はボイラーとレンガ積みとの間に隙間が生じたときは、速やかに補修しなければならない
- ボイラー室には、必要がある場合のほか、引火しやすいものを持ち込ませてはならない
- ボイラー室には、水面計のガラス管、ガスケットその他の必要な予備品及び修繕用工具類を備えておかなければならない
定期自主検査について
- 定期自主検査は、1か月を超える期間使用しない場合を除き、1か月以内毎に1回、定期に行わなければならない
- 定期自主検査は、大きく分けて「ボイラー本体」「燃焼装置」「自動制御装置」及び「付属装置及び付属品」の4項目について行わなければならない
- 「自動制御装置」の電気配線については、端子の異常の有無について点検しなければならない(H28.損傷の)
- 「燃焼装置」の煙道については、漏れその他の損傷の有無及び通風圧の異常の有無について点検しなければならない
- 「付属装置及び付属品」の空気予熱器については、損傷の有無について点検しなければならない
- 定期自主検査を行ったときは、その結果を記録し、これを3年間保存しなければならない
ボイラーの検査及び検査証の関して
- 落成検査に合格したボイラー又は所轄労働基準監督署長が落成検査の必要がないと認めたボイラーについては、ボイラー検査証が交付される
- ボイラーの検査証の有効期間の更新を受けようとするものは、原則として登録性能検査機関が行う性能検査を受けなければならない
- ボイラー検査証の有効期間は、原則として1年であるが、性能検査の結果により1年未満を超え2年以内の期間を定めて更新される
- ボイラーを輸入したものは、原則として使用検査を受けなければならない
- 使用を廃止したボイラーを再び設置しようとするものは、使用検査を受けなければならない(使用再開検査ではない)
- ボイラーを設置したものは、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、落成検査を受けなければならない
- 落成検査は、構造検査又は使用検査に合格した後でなければ受ける事ができない
- ボイラー検査証の有効期間を超えて使用尾を休止していたボイラーを再び使用しようとするものは、使用再開検査を受けなければならない
変更届及び変更検査に関して
- 燃焼装置を変更しようとする事業者は、ボイラー変更届に、ボイラー検査証及び変更の内容を示す書面を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない
- 燃焼装置に変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない
- ボイラーの給水装置を変更しようとするときは、ボイラー変更届を所轄労働基準監督署長に提出する必要はない
- 水管を変更しようとするときは、ボイラー変更届を所轄労働基準監督署長に提出する必要はない
- 水管の変更は、変更検査を受ける必要はない
- ボイラーの空気予熱器を変更しようとする事業者は、ボイラー変更届を所轄労働基準監督署長に提出する必要はない
- 管寄せに変更を加えた者は、所轄労働基準監督署長が検査の必要がないと認めたボイラーを除き、変更検査を受けなければならない
- 所轄労働基準監督署長は、変更検査に合格したボイラーについては、そのボイラー検査証に検査期日、変更部分及び検査結果について裏書を行う
- 変更検査に合格しても、ボイラー検査証の有効期限は更新されない
変更届)41条 次の次号のいづれかに掲げる部分又は設備を変更しようとするときは、ボイラー変更届にボイラー検査証及びその変更内容を示す書面を添えて、所轄労働基準監督署長に提出しなければならない
①胴、ドーム、炉筒、火室、鏡板、天井板、管板、管寄せ又はステー
②付属設備(過熱器、節炭器)
③燃焼装置
④据付基礎
鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く)の安全弁及び逃し弁に関して
- 貫流ボイラー以外の蒸気ボイラーのボイラー本体の安全弁は、弁軸を鉛直にして、ボイラー本体の容易に検査できる位置に直接取り付けなけらばならない
- 貫流ボイラーに備える安全弁については、当該ボイラーの最大蒸発量以上の吹き出し量の物を過熱器の出口付近に取り付ける事が出来る
- 過熱器には、過熱器の出口付近に過熱器の温度を(H28圧力)設計温度以下に保持する事が出来る安全弁を備えなければならない
- 引火性蒸気を発生する蒸気ボイラーにあっては、安全弁を密閉式の構造とするか、又は、安全弁からの排気をボイラー室外の安全な場所へ導くようにしなければならない
- 蒸気ボイラーには安全弁を2個以上備えなければならないが、伝熱面積50m2以下の蒸気ボイラーでは安全弁を1個とすることができる
- 水の温度が120℃を超える温水ボイラーには、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することができる安全弁を設けなけれならない
- 燃料の供給を遮断してもなおボイラーへの熱供給が続く蒸気ボイラーには、原則給水装置を2個備えなければならない
鋼製ボイラー(小型ボイラーを除く)に取り付ける温度計・圧力計及び水面計に関して法令上誤っているものはどれか
- 温水ボイラーには、ボイラーの出口付近における温水の温度表示をする温度計を取り付けなければならない(最高使用圧力に関係なく)
- 温水ボイラーの水高計は、コックは弁の開閉状態を容易に知ることが出来るようにしなければならない
- 温水ボイラーの水高計の目盛盤の最大指数は、最高使用圧力の1.5倍以上3倍以下の圧力を指す示度としなけらばならない
- 蒸気ボイラーには、過熱器の出口付近における蒸気の温度を表示する温度計を設置しなければならない
- 蒸気ボイラーの圧力計は、蒸気が直接入らないようにしなければならない
鋼製ボイラー(小型ボイラー除く)の燃焼安全装置に関し、法令上誤っている事は
- 燃焼安全装置とは、異常燃焼又は燃焼用空気の異常な供給停止が起こった時に、自動的にこれを検出し、直ちに燃料の供給を遮断する事ができる装置をいう
- 燃焼装置には、原則として燃焼安全装置を設けなければならないが、燃料の性質又は燃焼装置の構造により、緊急遮断が不可能なボイラーは、設けなくてよい
- 燃焼安全装置は、作動用動力源が断たれたとき、直ちに燃料の供給を遮断することが出来るものでなければならない
- 燃焼安全装置は、作動用動力源が復帰したときに、自動的に燃料供給の遮断が解除されるものでなければならない
- 燃焼安全装置は、燃焼に先立って火炎の誤検知があるときには、燃焼を開始させない機能を有するものでなければならない
- 自動点火式ボイラーの燃焼安全装置は、故障その他の原因で点火することができない時には、燃料の供給を自動的に遮断するものであって、手動による操作をしない限り再起動できないものでなければならない
- 自動点火式ボイラーの燃焼安全装置は、点火しても火炎の検出ができない時には、燃料の供給を自動的に遮断するものであって手動による操作をしない限り再起動できないものでなければならない
鋼製蒸気ボイラー(小型ボイラーを除く)の自動給水装置等に関して
- 自動給水調整装置はボイラー毎に設けなければならない
- 低水位燃料遮断装置とは、ボイラーの起動時に水位が安全低水面いかである場合及び運転時に水位が安全低水面以下になった場合に、自動的に燃料の供給を遮断する装置をいう
- 低水位警報装置とは、水位が安全低水面以下になった場合に、警報を発する装置
- ボイラーの使用条件により運転を緊急停止することが適さないボイラーでは、低水位燃料遮断装置に代えて、低水位警報装置を設けることができる
- 燃料の性質又は燃焼の装置の構造により、緊急遮断が不可能なボイラーでは、低水位燃料遮断装置に代えて、低水位警報装置を設けることができる
- 貫流ボイラーでは、ボイラー毎に、起動時にボイラー水が不足している場合及び運転時にボイラー水が不足した場合に、自動的に燃料を遮断する装置又はこれに代わる安全装置を設けなけらばならない
- 貫流ボイラーには、低水位燃料遮断装置を設けなけなければならないが、燃料の性質又は燃焼装置の構造により緊急遮断が不可能なボイラーまたは、ボイラーの使用条件により運転を緊急停止することが適さないボイラーには、この装置に代えて、低水位警報装置を設ける事が出来る
鋼製蒸気ボイラー(貫流及び小型ボイラーを除く)の水面測定装置に関して
- ボイラーには、ガラス水面計を2個以上設けなけらばならないが、遠隔指示水面測定装置を2個以上(H28.1個)取り付けたものでは、そのうち1個をガラス水面計でない水面測定装置とすることができる
- 水柱管とボイラーを結ぶ蒸気側連絡管を、水柱管及びボイラーに取り付ける口は、水面計で見る事が出来る最高水位より下であってはならない
- 最高使用圧力1.6Mpaを超えるボイラーの水柱管は、鋳鉄製としてはならない
- ガラス水面計でない水面測定装置として験水コックを設ける場合には、3個以上取り付けなければならないが、胴の内径が750mm以下でかつ伝熱面積が10m2未満のボイラーにあっては、その数を2個とする事が出来る
- 験水コックは、その最下位のものを安全低水面の位置に取り付けなければならない
- ガラス水面計は、そのガラス管の最下部が安全低水面を指示する位置に取り付けなければならない
鋳鉄製ボイラー(小型ボイラーを除く)に関しての法令
- 蒸気ボイラーは、スケールその他の沈殿物を輩出する事ができる吹出し管であって、吹出し弁又は吹出しコックを取り付けたもの備え付けなければならない
- 温水ボイラーで圧力が0.3Mpaを超えるものには、温水温度が120℃を超えないように温水温度自動制御装置を設けなければならない
- 温水ボイラーには、ボイラー本体又は、温水の出口付近に水高計又は圧力計を取り付けなければならない(H28.逃がし管を備えていようとも)
- 給水が、水道その他圧力を有する水源から供給される場合には、給水管を返り管に取り付けなければならない
- 暖房用温水ボイラーには、原則として逃がし管を備えなければならないが、内部の圧力を最高使用圧力以下に保持することが出来る開放型膨張タンクに通ずる逃がし管を備えた物では、備えなくてもよい
- 鋳鉄製ボイラーには、一定の要件を備えたものを除き、ガラス水面計を2個以上備えなければならないが、そのうち1個はガラス水面計でない他の水面計とすることができる
- ガラス水面計でない他の水面測定装置として験水コックを設ける場合は、ガラス水面計のガラス管取付位置と同等の高さの範囲において2個以上取り付けなければならない
- 給湯用温水ボイラーには、原則として逃し弁を備えなければならないが、給水タンクの水面以上に立ち上げた逃がし管を備えたものでは、備えなくてもよい
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