- ボイラーの構造について
- 計測器に関して
- 温度検出器について
- 圧力制御機器に関して
- 水位制御に関して
- 自動制御に関して
- 燃焼安全装置の火炎検出器に関して
- ボイラーのドラム制御について
- 熱及び蒸気に関して
- 熱及び仕事に関して
- 圧力計及び流量に関して
- 重油を燃料とするボイラーにおいて、蒸発量が毎時5t、燃料消費量が毎時360kgで、燃料の低発熱量が42MJ/kgであるとき、ボイラー効率はいくらか?ただし、発生蒸気の比エンタルピは2790kJ/kg、給水の温度は24℃とする
- 重油を燃料とするボイラーにおいて、蒸発量が毎時2t、ボイラー効率が90%であるとき、低発熱量が41MJ/kgの重油の消費量の値は?ただし、発生蒸気の比エンタルピは2780kJ/kg、給水の温度は24℃である
- ボイラーの効率について、蒸発量5t/h、発生蒸気の比エンタルピ 2775kJ/kg、給水温度24℃、燃料の低発熱量39.6MJ/kg、燃料消費量375kg/h
- 蒸気圧力1.2Mpa、給水温度30℃、発生蒸気の湿り度0.05で、蒸発量4t/hのボイラーの換算蒸発量の値に最も近いのはどれか?ただし、絶対圧力1.3Mpaの飽和水の比エンタルピは815kJ/kg、蒸発熱は1972KJ/kgとする
- 水管ボイラーに関して
- 貫流ボイラーに関して
- 水管ボイラーの水循環に関して
- 鋳鉄製ボイラーについて
- ステーに関して
- ボイラーに使用する金属材料に関して
- ばね安全弁及び排気管に関して
- 炉筒煙管ボイラーに関して
- ボイラー各部の構造及び強さに関して
- 炉筒の構造、強度について
- 水冷壁に関して
- 空気予熱器に関して
- ボイラーの付属品又は付属装置に関して
- 給水系統装置に関して
- 比例式蒸気圧力調節弁の比例帯設定目盛板を示す。蒸気圧力が0.60Mpaに設定され、比例帯設定指針が図の位置にあるとき、比例制御が行われる範囲はどれか
- 蒸発量5t/h、発生蒸気の比エンタルピ2780kJ/kg、給水温度24℃、ボイラー効率90%、燃料消費量370kg/hの時の低発熱量は?
- ボイラーの水位制御において、蒸気流量が増加して水面が下がる前に、蒸気流量の増加を検出して給水量を増加させる操作を行う。このように目標値と制御量の偏差によらず乱外などの情報に基づいて操作量を決定する制御をフィードフォワード制御という
ボイラーの構造について
計測器に関して
- ブルドン管圧力計は、断面が扁平な管を円弧上に曲げ、その一端を固定し他端を閉じ、その先に歯付き扇形片を取り付けて小歯車とかみ合わせたものである
- 差圧式流量計は、流体の流れている管の中にベンチュリ管又はオリフィスなどの絞り機構を挿入すると、流量がその入口と出口の差圧の平方根に比例する事を利用している
- 容積式流量計は、ケーシング内でだ円形歯車を2個組み合わせ、これを流体の流れによって回転させると、歯車とケーシング壁との間に空間部分の量だけ流体が流れ、流体が歯車の回転数に比例する事を利用している(H28 回転数の2乗に比例)
- 丸形ガラス水面計は、主として最高使用圧力1Mpa以下の丸ボイラーに用いられる
- 二色水面計は、光線の屈曲率の差を利用したもので、蒸気部は赤色に、水部は緑色に見える
- 平形反射式水面計は、ガラスの前面から見ると水部は光線が通っ白色に見え、蒸気部は反射されて黒色に光って見える
温度検出器について
- バイメタル式温度検出器は、熱膨張の異なる2種類の薄い金属板を張り合わせたバイメタルにより、接点をオンオフするもので、振動により誤差が出ることがあるが、直動式で応答速度が遅い(H28.応答速度が速い)
- 溶液密封式温度検出器は、感温体内の揮発性液体の温度変化による膨張・収縮を利用して、ベローズなどにより接点をオンオフするものである
- 溶液密封式温度検出器は、感温体内の揮発性液体の漏れや気圧の影響により誤差が出る事がある
- 溶液密封式温度検出器はの感温体は、直接ボイラー本体に取り付ける場合と、保護管を用いて取り付ける場合がある
- 保護管を用いて溶液密封式温度検出器の感温体をボイラー本体に取り付ける場合は、保護管内にシリコングリスなどを挿入して感度を良くする
- 測温抵抗体は、金属の電気抵抗が温度変化によって一定割合で変化する性質を利用して、温度を測定するもので、使用する金属には、温度に対する抵抗変化が一定であること、温度係数が大きいことなどの要件が必要である(温度に対する抵抗値は一定ではなく大きくとる)
- 熱電対は、2種類の材質の異なる金属線の両端を接合し閉回路を作ったもので、両端で温度差が生じると回路中に、その金属固有の熱起電力が発生する原理を利用して、温度を測定するものである。
圧力制御機器に関して
- オンオフ式蒸気圧力調節器は、蒸気圧力の変化によってベローズとばねが伸縮し、レバーが動いてマイクロスイッチなどを開閉する
- オンオフ式蒸気圧力調節器は、ベローズに直接蒸気が浸入しないように水を満たしたサイホン管を用いて取り付ける
- 電子式圧力センサは、金属ダイヤフラムで受けた(H28シリコンダイヤフラムではない)圧力を封入させた液体を介してシリコンダイヤフラムに伝え(金属ダイヤフラムではない)、そのシリコンダイヤフラムの変形に伴う抵抗の変化を利用し圧力を検出する
- 比例式蒸気圧力検出器の比例帯は、ボイラーの特性上蒸気の、使用状態などに応じてその幅を調節するが、制御を安定させるためには、条件が許す限り大きく設定する。
- 比例式蒸気圧力調節器は、一般にコントロールモータとの組み合わせにより、設定した比例帯の範囲で蒸気圧力を調整する
- 圧力制限器は 、ボイラーの蒸気圧力、燃焼用空気圧力、燃焼油圧力などが異常になった時、直ちに燃料を遮断するものである
水位制御に関して
- 水位制御の目的は、負荷が変動してもドラム水位を出来るだけ一定に保つことである
- ドラムの逆応答とは、蒸気流量が増えるとドラム水位が一時的に上がる特性の事をいう
- 単要素式は、ドラムの水位だけを検出し、これに応じて給水量を調整する方式である
- 三要素式は、ドラム水位、蒸気流量及び給水流量を検出し、これらに応じて給水量を調整する方式である
- 熱膨張管式水位調節装置には、単要素式と二要素域がある
自動制御に関して
- シーケンス制御はあらかじめ定められた順序に従って、制御の各段階を逐次進めていく制御である
- フィードバック制御は、出力側の信号を入力側に戻す事によって、制御量の値を目標値と比較し、一致させるように訂正動作を行う制御である
- オンオフ動作は、操作量が二つの値のいずれかを取る2位置動作のうち、その二つの値の一つをゼロとするものである
- 比例動作は、制御偏差の大きさに比例して操作量を増減するように動く動作でP動作ともいう
- 積分動作は、制御偏差量に比例した速度で操作量を増減するように働く動作で、I動作ともいう。
- 微分動作は、制御偏差が変化する速度に比例して操作量を増減するように働く動作で、D動作ともいう
燃焼安全装置の火炎検出器に関して
- 火炎検出器は、火炎の有無又は強弱を検出し、電気信号に変換するもので、あらかじめ定められた条件に適合する火炎だけを検出することが必要である
- フォトダイオードセルは、光起電力効果を利用したもので、ガス燃焼炎には適さないが、形状・寸法が小型であり、ガンタイプ油バーナなどに用いられる
- 整流式光電管は、光電子放出現象を利用したもので、油燃焼炎の検出に用いられるが、ガス燃焼炎には適さない
- 紫外線光電管は、光電子放出現象を利用したもので、感度が良く安定し、炉壁の放射による誤作動もなく、すべての燃料の燃焼炎の検出に用いられる
- フレームロッドは、火炎の導電作用を利用したもので、ロッドの使用制限温度による制約から点火用のガスバーナに用いられる
ボイラーのドラム制御について
- 水位制御の目的は、負荷が変動してもドラムの水位を出来るだけ一定に保つことである
- ドラム水位の逆応答とは、蒸気流量が増えるとドラムの水位が一時的に上がる特性の事をいう(H28.蒸気流量が増えるとドラム水位が一時的に下がる特性の事をいう)
- 単要素式とは、ドラム水位だけを検出し、これに応じて給水量を調節する方法
- 二要素式とは、ドラム水位及び蒸気流量を検出し、これに応じて給水流量を調節する方法である
- 熱膨張管式水位調節装置には、単要素式と二要素式がある
熱及び蒸気に関して
- 定圧比熱は>定容比熱(H28)
- 放射伝熱は、物体が保有する内部エネルギーの一部を電磁波の形で放出し、それが他の物体にあたり吸収される熱移動である
- 固定壁の表面とそれに接する流体との間の熱移動を熱伝達という。液体の沸騰・蒸気の凝固などの相対変化を伴う場合の熱伝達率は極めて大きい
- 過熱蒸気は、飽和蒸気をさらに過熱したもので、過熱蒸気の温度と同じ圧力の飽和蒸気の温度差を過熱度という
- 物体の比エンタルピh=内部エネルギー(U)+物体の圧力(P)×比体積(v)で表されるh=u+Pv
- 放射伝熱によって伝わる熱量は、高温物体の絶対温度の4乗と低温物体の絶対温度の4乗との差に比例する
- 水の飽和温度は、標準大気圧の時100℃で、圧力が高くなるほど高くなる
- 熱と仕事はともにエネルギーの形態で、熱量3.6MJは、電気的仕事量1kWhに相当する
- 飽和水の蒸発熱は、圧力が高くなるほど小さくなり、臨界圧力に達すると0になる
- 平板壁の熱伝達によって伝わる熱量は、壁の両側面の温度差及び伝熱面積に比例し、暑さに反比例する
- 蒸気タービンなどの蒸気原動機に、過熱度の高い過熱蒸気を使用すると、熱効率が向上するとともに、タービン翼の腐食などの故障を軽減することが出来る
熱及び仕事に関して
- 気体の比熱には、圧力一定で温度を1℃上げる場合の定圧比熱と体積一定で温度を1℃上げる場合の定積比熱(定容比熱)とがあるが、定圧比熱は定積比熱より大きい
- 物体内部に温度差があると、その高温体から低温体へと熱の流れを生じるが、これは熱が一つの分子から隣の分子へと順次伝わる現象で、熱伝導という
- 金属壁の表面とそれに接する流体との間での熱移動を熱伝達といい、液体の沸騰又は蒸気の凝縮の様に相対変化を伴う場合の熱伝達によって伝わる熱量は極めて大きい
- 熱と仕事はともにエネルギーの形態で、本質的に同等であり、電気的仕事量1KWhは、熱量3.6MJに相当する
- 物体の圧力をP(Pa)、内部エネルギーをu(J/kg)、比体積をv(m3/kg)とすると物体の比エンタルピhは、h=u+Pvで示される
圧力計及び流量に関して
- ブルドン管式圧力計は、断面がへん平な管を円弧上に曲げ、その一端を固定して他端を閉じ、その先に歯付扇形片を取り付けたものである
- 歯付扇形片は、ブルドン管に圧力が加わると、管の円弧が広がる事で動く構造となっている
- サイホン管を胴と圧力計との間に取り付け、その中に水を入れてブルドン管に蒸気や高温の水が直接入らないようにする
- 容積式流量計は、ケーシング内で組み合わせた2個のだ円歯車を流体の流れによって回転させると、歯車とケーシング壁との空間部分の量だけ流体が流れ、流体が歯車の回転数に比例することを利用している
- 差圧式流量計は、流体の流れている管の中にベンチュリ管又はオリフィスなどの絞り機構を挿入すると、その入り口と出口の間に圧力差が生じ、流量が差圧の平方根に比例する事を利用している
重油を燃料とするボイラーにおいて、蒸発量が毎時5t、燃料消費量が毎時360kgで、燃料の低発熱量が42MJ/kgであるとき、ボイラー効率はいくらか?ただし、発生蒸気の比エンタルピは2790kJ/kg、給水の温度は24℃とする
- ボイラー効率={蒸発量×(蒸気の比エンタルピ-水の比エンタルピ)/(燃料消費量×燃料の低発熱量)}×100
- (5000×(2790-24×4.187)/(360×42000))×100=89%
重油を燃料とするボイラーにおいて、蒸発量が毎時2t、ボイラー効率が90%であるとき、低発熱量が41MJ/kgの重油の消費量の値は?ただし、発生蒸気の比エンタルピは2780kJ/kg、給水の温度は24℃である
- ボイラー効率=熱出力/燃料の入り熱×100
- 熱出力=蒸発熱×(蒸気の比エンタルピ-給水のエンタルピ) 燃料の入り熱=燃料消費量×燃料の低発熱量
- 90={2000×(2780-24×4.187)/(X×41000)}
- X=145.231kg/h
ボイラーの効率について、蒸発量5t/h、発生蒸気の比エンタルピ 2775kJ/kg、給水温度24℃、燃料の低発熱量39.6MJ/kg、燃料消費量375kg/h
- {5000×(2775-24×4.187)/375×39600}=0.90
蒸気圧力1.2Mpa、給水温度30℃、発生蒸気の湿り度0.05で、蒸発量4t/hのボイラーの換算蒸発量の値に最も近いのはどれか?ただし、絶対圧力1.3Mpaの飽和水の比エンタルピは815kJ/kg、蒸発熱は1972KJ/kgとする
- 実際蒸発量4000kg/h
- 発生蒸気の比エンタルピ=815+1972×(1-0.05)=2688.4
- 給水の比エンタルピ=30×4.187=125.61
- 換算蒸発量={4000×(2688.4-125.61)}/2257 (標準大気圧での蒸発熱2257kJ/kg)
- =4541.94kg/h ≒4.5t/h
水管ボイラーに関して
- 伝熱面積当たりの保有水量が小さいので、起動から所要蒸気を発生するまでが短い
- 一般に水冷壁構造であり、水冷壁管は、火炎からの強い放射熱を吸収し、高い蒸発率を示す放射伝熱面となるとともに、炉壁を保護する
- 自然循環式の大容量のボイラーには、対流形過熱器とともに火炉上方に放射熱を吸収する放射形過熱器をを設けたものがある
- 過熱器やエコノマイザを自由に配置できるほか、伝熱面積を大きくとることができ、一般にボイラー効率よい
- 高温高圧のボイラーでは、本体伝熱面の吸収熱量の割合が小さくなり、伝熱面積の大きい過熱器が設けられる(H28)
- 高温高圧ボイラーでは、、本体伝熱面が水冷壁管だけからなり、接触伝熱面が全くないか、又はわずかしかない放射ボイラーの形式をとる
- 蒸気ドラム1個と水ドラム2個の3胴刑のものは、蒸発量30t/h程度までの比較的小さなボイラーに用いられる
- 給水及びボイラー水処理に注意し、特に高圧ボイラーでは厳密な水管理を行う必要がある
- 高温高圧のボイラーでは、全吸収熱量のうち、高温ガスとの接触によって熱を受ける蒸発水管群で吸収される熱量の割合が小さい
貫流ボイラーに関して
- 貫流ボイラーは一連の長い管系で構成され、急須ポンプによって一端から押し込まれた水が順次、予熱、蒸発、過熱され、他端から過熱蒸気となって取り出される
- 貫流ボイラーは負荷変動により大きな圧力変動を生じやすいので、応答の早い給水量や燃焼量の自動制御を必要とする
- 超臨界式ボイラーでは、水の状態から沸騰現象を伴うことなく連続的に蒸気の状態に変化するので、汽水分離器は不要になる
- 貫流ボイラーでは、水管を、垂直以外にも水平や斜めに配置する事が出来る
- 貫流ボイラーでは、給水量と燃料量の比が変化すると、ボイラー出口の蒸気温度が激しく変化する
水管ボイラーの水循環に関して
- 水管と蒸気の間の熱伝達率は、水管と沸騰水の間の熱伝達率よりはるかに小さいので、運転中、水管内に発生蒸気が停滞すると、管壁温度が著しく高くなる
- 自然循環ボイラーの場合、循環力を大きくするには、下降管を加熱せず、また、蒸気ドラムと水ドラムの高さの差を大きくする
- 自然循環式ボイラーでは、熱負荷を増すと上昇管内の汽水混合物の平均密度が小さくなり、循環力が増すが、蒸発管出口の温度は上昇する(循環力低下は誤り)
- 自然循環式ボイラーでは、上昇管を上昇した蒸気は、蒸気ドラムで水分が分離された後に外部に供給され、その分の給水が蒸気ドラムに供給される
- 自然循環式ボイラーでは、ボイラーの運転圧力が低いほど蒸気の比体積が大きくなる為、循環比を大きくとる必要がある
鋳鉄製ボイラーについて
- 鋼製ボイラーに比べ、強度は弱いが腐食に強い
- ほとんどがウエットボトム式の構造
- 二重柱構造のセクションでは、ボイラー水の循環において、燃焼室側側柱が上昇管、外側側柱が下降管の役割を果たしている
- 鋳鉄製循環ボイラーでは、復水を循環使用するのを原則とし、給水管はハートフォード式連結式によって安全低水面の位置で返り管に取り付けられる(H28安全低水面の少し下と記載・逃がし管に取り付けると記載×)
- 暖房に温水ボイラーを使用する場合は、蒸気ボイラーを使用する場合に比べ、部屋ごとの温度調整が容易
- 重力式蒸気暖房帰り管では、低水位事故を防止するために、ハートフォード式連結方法がよく用いられる
ステーに関して
- ステーボルトは、機関車形のボイラーの内火室板の様に接近している平板の補強に使用される
- ガセットステーは、胴と鏡板に直接溶接によって取り付け、鏡板を胴で支える
- ガセットステーの配置にあたっては、ブリージングスペース(ステーと炉筒の間にスペースを設ける事)を十分にとる
- 管ステーは、煙管よりも厚い肉厚の鋼管を管板に溶接又はねじ込みによって取り付ける
- 管ステーを火炎に触れる部分に取り付ける場合には、焼損を防ぐために端部を縁曲げする
- ステーボルトには外側から知らせ穴をあけ、ステーが切れた場合にこの穴から蒸気が吹出し異常を知らせるようにする
- 管ステーは煙管を使用するボイラーに多く用いられ、煙管と同様に伝熱管の役割を兼ねる
ボイラーに使用する金属材料に関して
- 鋳鉄は、炭素量が通常2.5~4%程度の鉄・炭素合金で、溶融点が低く流動性が良いので複雑な形状のものを作ることが出来るが、鋳造や圧延はできない
- 鋳鋼は、弁その他形状が複雑なため機械加工が困難で、鋳鉄では強度が不足する部分に使用される
- 高炭素鋼は、焼き入れさせて硬化し割れが発生しやすいので、ボイラーには主として炭素0.1~0.3%程度の軟鋼が使用される
- 銅合金には、胴と亜鉛の合金の黄銅及び胴とすずの合金の青銅があるが、青銅の方が鋳造しやすく、バルブ、コックなどに使用される
- 合金鋼は引張強さ、クリープ強さ及び耐食性を改善するために炭素鋼に適量のニッケル、クロム、モリブデン、マンガンなどを添加したもので、ボイラーに使用される合金鋼にはステンレス鋼などがある(不純物のリンは入っていない)
ばね安全弁及び排気管に関して
- 安全弁の吹出し圧力は、調節ボルトを緩めたり締めたりして、ばねが弁体を便座に押し付ける力を変える事で調整する
- 安全弁は、蒸気流量を制限する構造によって、揚程式と全量式に分類される
- 安全弁はのど部の面積で吹出し面積が決まる(H28)
- 安全弁軸心から安全弁の排気管中心までの距離は、出来るだけ短くする
- 安弁全箱又は排気管の底部に歯、ドレン抜きを設ける。このドレン管には、弁を取り付けてはならない
- 安全弁の取付管台の内径は安全弁の入り口径と同径以上とする
炉筒煙管ボイラーに関して
- 炉筒煙管ボイラーは、他の丸ボイラーに比べ、構造が複雑で内部は狭く、清掃や検査が困難なため、良質な給水が必要である
- 炉筒煙管ボイラーの煙管には伝熱効果の大きいスパイラル管を用いているものが多い
- 炉筒煙管ボイラーのドライバック式は、後部煙室が胴の後部鏡板の外側に設けられた構造である
- ウエットバック式は、後部煙室が胴の内部に設けられ、その周囲が水で囲まれている
- 炉筒煙管ボイラーには、燃焼ガスが閉じられた炉筒後端で反転して前方に戻る戻り燃焼方式を採用し、燃焼効果を高めたものがある
- 炉筒煙管ボイラーには、すべて組み立てを製造工場で行い、完成した状態で運搬できるパッケージ形式にしたものが多い
- 戻り燃焼方式では、燃焼火炎が、炉筒前部から炉筒後部へ流れ、そして炉筒後部で反転して前方へ戻る一連の流れを2パスという
- 炉筒煙管ボイラーは、煙道にエコノマイザや空気予熱器を設け、ボイラー効率が90%に及ぶものがある
ボイラー各部の構造及び強さに関して
- 胴にだ円形のマンホールを設ける場合は、短径部を胴の長手方向に配置する
- 平鏡板は、内圧により曲げ応力が生じるので、大径のものや圧力の高いものはステーによって補強する
- 半だ円体刑鏡板は、胴材質、同径、同圧の場合、前半球形鏡板より強度が小さい(最も強度が強いのは全半球形鏡板)
- 炉筒の鏡板への取付は、一般に鏡板の炉筒取り付け部分を内方に折り込んで、突合わせ溶接によって行う
- 炉筒は、燃焼ガスによって加熱され長手方向に膨張しようとするが、鏡板によって拘束されるため圧縮応力が生じる
- 炉筒の圧壊を防止するため、波形炉筒を用いたり、平形炉筒の外周に補強リングを溶接したりする
- 銅板を薄肉円筒として取り扱う場合、長手方向の断面に生じる周方向の応力は、周方向の断面に生じる長手方向の応力の2倍となる
- 鏡板は、胴又はドラムの両端を覆っている部分をいい、煙管ボイラーのように管を取り付ける鏡板は、特に管板という(管寄せ×)
- 炉筒の圧壊を防止するため、波形炉筒を用いたり、平形炉筒の外周に補強リングを溶接したりする
炉筒の構造、強度について
- 炉筒は、燃焼ガスによって加熱され長手方向に膨張しようとするが、鏡板によって拘束されているため圧縮応力が生じる
- 熱応力が生じる鏡板や炉筒を補強するためのガセットステーを設ける場合は、ブリージングスペースを十分にとらなければならない
- 炉筒は、外圧を受けるので、真円度が保たれ邸内と、圧力により変形が増し、圧壊を起こす恐れがある
- 平形炉筒では、圧壊を防止するため、外周に補強リングが溶接によって取り付けられる
- 平形炉筒では、熱応力を軽減するための伸縮接手の多くは、各節の接合部に設けられ、溶接によって取り付けられる
- 炉筒の鏡板への取付は、一般に鏡板の炉筒取り付け部分を内方へ折り込んで突合わせ溶接によって行いう
水冷壁に関して
- スペースドチューブ壁は、耐火材の内側に裸水管を適当な間隔を持たせて配置し、耐火材の外側に燃焼ガスをシールするケーシングを設けたものである
- タンゼントチューブ壁は、耐火物の内側に裸水管を近接して配置し、水管の外側に燃焼ガスをシールするケーシングを設けた物
- フィンチューブ壁は、耐火物の内側に裸水管を近接して配置し、水管両側に平板を溶接したひれ付き管を配置し、水管の外側に燃焼ガスをシールするケーシングを設けたもの
- パネル式水冷壁(メンブレンウォール)は、フィンチューブの相互間を溶接して板状にまとめた構造で、完全な機密が得られるので、燃焼ガスをシールするケーシングや耐火材が不要となる
- スタッドチューブ壁は、水管の周辺に短い鋼棒片を多数溶接したものを内壁に並べ、その内側の面に耐火物を塗布したものである
空気予熱器に関して
- 鋼板形の熱交換式空気予熱器は、鋼板を一定間隔に並べて端部を溶接し、1枚おきに空気及び燃焼ガスの通路を作成したものである
- 再生式空気予熱器は、熱交換式空気予熱器に比べ、空気側とガス側との間に漏れが多いが、コンパクトな形状にする事が出来る
- 再生式空気予熱器は、金属板の伝熱体を円筒内に収め、これを燃焼ガスと空気に交互に接触させて伝熱を行う
- ヒートパイプ式空気予熱器は、金属製の管の中にアンモニア、水などの熱媒体を減圧して封入し、高温側で熱媒体を蒸発させ、低温側で熱媒体蒸気を凝縮させて、熱を移動させる。
- 空気予熱器を設置することにより過剰空気量が少なくて済み、燃焼効率が上昇する
- 空気予熱器の設置による通風抵抗の増加は、エコノマイザの設置による通風抵抗の増加より大きい
- 空気予熱器を設置すると、通風抵抗は増加するが、燃焼温度が高くなる為NOxの発生が増加する
- 併用設置する場合は、ボイラー→エコノマイザ→空気予熱器
ボイラーの付属品又は付属装置に関して
- 沸水防止管は、多数の穴の開いたパイプの上部から蒸気を取り入れ、蒸気流の方向を変えて水滴を蒸気から振り切るようにしたものである
- 脱気器は、給水中の酸素などの溶存気体を取り除くもので、給水ポンプの吸込み側に設けられる
- スクラバは、波板を重ねたものに蒸気を通し、水滴を波板に衝突させて分離するものである
- 給水加熱器は、タービンからの蒸気やその他の蒸気で給水を予熱するものである
- 変圧式スチームアキュームレータは、余分の蒸気を飽和水の状態にして蓄えるもので、送気系統中に設けられる(過剰蒸気と記載は×)
- バケット式蒸気トラップは、ドレンの存在が直接トラップ弁を駆動するので、作動が迅速で信頼性が高い
- 主蒸気管の配置にあたっては、曲がり部に十分な半径を持たせ、ドレンのたまる部位がないように傾斜をつけるとともに、要所に蒸気トラップを設ける
- デミスタは、金網を重ねた物に蒸気をとおし蒸気中の水滴を分離するもので、汽水分離器の一種である
- 給水内管は、一般に長い鋼管に多数の穴を設けたもので、胴又は蒸気ドラム内の安全低水面よりやや下方に取り付ける
- 大形ボイラー及び高圧ボイラーでは、2個の風呂弁を直列に設け、ボイラーに近い方を急開弁、遠い方を漸開弁とする
給水系統装置に関して
- 給水ポンプの過熱防止装置は、ポンプ吐出量を絞り込みすぎた場合に、過熱防止弁などにより吹出ししようとする水の一部を吸込み側に戻す装置である。
- 渦巻ポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のない遠心ポンプで、一般に低圧ボイラーなどの給水に用いられる
- ディフューザポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のある遠心ポンプで、高圧のボイラーには多段ディフューザポンプが用いられる
- 渦流ポンプは、円周流ポンプとも呼ばれているので、小容量の蒸気ボイラーなどの給水に用いられる
- 脱気器は、物理的脱気法により給水を脱気する装置で、過熱脱気器などがある
- 給水弁と給水逆止め弁をボイラーに取り付ける場合は、給水弁をボイラー側に近い側に、給水逆止め弁を給水ポンプに近い側に取り付ける
- 遠心ポンプは、羽根車の周辺に案内羽根のある遠心ポンプで、一般に低圧のボイラー給水に用いる
- 遠心ポンプは、湾曲した多数の羽根を有する羽根車をケーシング内で回転させ、遠心作用によって水に圧力及び速度エネルギを与えるものである
- 遠心ポンプを初めて起動するときは、ポンプ及び給水管内に呼び水を満たしてから起動する
- 給水弁にはアングル弁又は玉形弁が用いられ、給水逆止め弁にはリフト式又はスイング式の弁が用いられる
比例式蒸気圧力調節弁の比例帯設定目盛板を示す。蒸気圧力が0.60Mpaに設定され、比例帯設定指針が図の位置にあるとき、比例制御が行われる範囲はどれか
- 圧力範囲:0.34-0.10
- 1目盛の圧力は、0.24/6=0.04Mpa
- Bの圧力は0.18Mpa
- 設定圧力は0.6Mpaなので、0.6Mpa~0.78Mpaの間で比例制御が行われる
蒸発量5t/h、発生蒸気の比エンタルピ2780kJ/kg、給水温度24℃、ボイラー効率90%、燃料消費量370kg/hの時の低発熱量は?
- 90=5000×(2780-24×4.187)/(370×燃料の低発熱量)×100
- 燃料の低発熱量=40232.9kJ/kg 40.2MJ/kg
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