に各設問まとめています。
- 燃料及び燃焼
- 燃料及び燃焼に関して
- 燃焼及び燃焼室に関して
- 燃料の分析及び性質に関して
- 気体燃料に関して
- 燃料に関して
- 液体燃料に関して
- 液体燃料の供給装置に関して
- 重油の添加剤に関して
- 重油の性質に関して
- ボイラーの気体燃料に関して
- 重油の燃焼に関して
- ボイラーの通風に関して
- ボイラーの燃料の燃焼により発生する大気汚染物質に関して
- 空気比に関して
- 石炭に関して
- 石炭の燃焼装置に関して
- 流動層燃焼に関して
- 燃焼及び燃焼室に関して
- ガスバーナに関して
- 重油バーナに関して
- 油だきボイラーの燃焼室が具備すべき要件について
- 重油燃焼ボイラーの低温腐食について
- 液体燃料1kg当たりの理論酸素量O(m3)は、燃料1kgに含まれる炭素、水素、酸素及び硫黄の量をそれぞれc,h,o及びsとすれば、次式で表す
- 硫黄1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量の値は?、なお、硫黄が完全燃焼してから二流化硫黄になる反応式はS+O=SO2である
- 炭素1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量の近似値は?なお、炭素が完全燃焼して二酸化炭素になる反応式はC+O=CO2
- 温度5℃で100Lの重油の標準温度(15℃)における体積の近似値は、次のうちどれか?ただし、重油の体膨張係数を0.0007℃する
- ファンに関して
- 燃焼により発生する煤塵に関して
- 排ガス中のNoxを低減する燃焼方法に関して
- 熱損失に関して
燃料及び燃焼
燃料及び燃焼に関して
- 燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める温度を着火温度又は発火温度という
- 燃料を完全燃焼させた際に発生する熱量を発熱量と呼び、その単位は液体、固体燃料の場合はMJ/kg、気体燃料の場合はML/m3Nである
- 燃料成分の水素が燃焼して生成される水は、蒸気となり、発熱量の一部が蒸発潜熱として消費される
- 高発熱量は、水の蒸発潜熱を含めた蒸発量で、総発熱量ともいう
- 通常、固体燃料及び液体燃料の発熱量は断熱熱量計で、気体燃料の発熱量はユンカース式熱量計で測定する
燃焼及び燃焼室に関して
- 基準温度の燃料が理論空気量で完全燃焼し、外部へ熱損失がないと仮定した場合に到達すると考えられる燃焼ガス温度を離村燃焼温度という
- 理論燃焼温度は、燃料の低発熱量に比例し、燃焼ガスの平均低圧熱量に反比例する
- 単位時間における燃焼室の単位容積あたりの発生熱量を燃焼室熱負荷といいkW/m3で表す
- 燃焼室熱負荷は、燃焼用空気の予熱温度が高いと大きくなる
- 燃焼温度は、燃料の種類や空気比、燃焼効率などの条件で大きく変わり、局部的な燃焼温度は1800℃に達することもある
燃料の分析及び性質に関して
- 液体燃料に小火炎を近づけたとき、瞬間的に光を放って燃え始める最低の温度を引火点という
- 燃料を空気中で加熱し、他から点火しないで自然に燃え始める最低温度を着火温度という
- 組成を示すときに、通常、液体燃料及び固体燃料のには元素分析が、気体燃料には成分分析が用いられる
- 高発熱量は、水の蒸発潜熱を含めた発熱量で、通常、熱量計による測定値は高発熱量である
- 低発熱量は、高発熱量から水の蒸発潜熱を差し引いた発熱量で、真発熱量ともいう。
- 断熱熱量計による燃料の発熱量の測定は、水槽中に沈めた耐圧容器内で燃料を完全燃焼させたときの発熱量を、水槽中の水の温度上昇から算出するものである
- 高発熱量と低発熱量の差は、燃焼中の水素及び水分の割合で決まる(H28.差は燃焼中の酸素及び炭素の差と記載)
気体燃料に関して
- 気体燃料は、空気との混合状態を比較的自由に設定でき、火炎の広がり、長さなどの火炎調節が容易である
- ガス火炎は、油火炎に比べ、耀度が低く、燃焼室での輝炎による放射伝熱量が少なく、菅群部での対流伝熱量が多い
- 天然ガスのうち湿性ガスは、メタン、エタンのほかプロパン以上の高級炭素水素を含み、その発熱量は乾性ガスより大きい
- LNGは液化間に脱硫、脱炭素プロセスで精製されるため、CO2・N2、H2Sなどの不純物を含まない
- LPGは硫黄分がほとんどなく、その発熱量は天然ガスより多い
- オフガスは、石油化学・石油精製工場における石油類の分解によって発生するガスで、水素を多く含み、その発熱量は高炉ガスより大きい
燃料に関して
- 灯油は重油に比べて、燃焼性が良く、硫黄分が少ない
- 重油の密度は、その温度条件を付して、t℃における密度を「密度(t℃)」と表す
- 重油は、密度の大きいものほど燃焼率が悪く、単位質量当たりの発熱量は小さい(H28.逆で記載)
- 重油の密度は温度が上がるほど小さくなる
- 燃料中の炭素・水素の質量比(C/H比)は、燃焼性を示す指標の一つで、これが大きいほど重油ほどすすを生じやすい
- 重油の引火点は、実際は平均100℃前後で、着火点は250℃~400℃程度である
液体燃料に関して
- 重油の密度は、その温度要件を付して、15℃又はt℃にける密度を「密度(15℃)」又は「密度(t℃)」として表す
- 重油は、密度の大きいものほど、燃焼性は悪く、単位質量当たりの発熱量が小さい
- 重油の密度は、粘土、引火点、残留炭素分、硫黄分、質素分などと互いに関連するが、温度が上がるほど密度は小さくなる
- 燃料中の炭素・水素の質量比(C/H比)は、燃焼性を示す指標の一つで、これが大きい重油ほどすすを生じやすい
- 実際の重油の引火点は平均100℃前後で、着火温度は250~400℃程度である
液体燃料の供給装置に関して
- サービスタンクは、工場内に分散する各燃焼設備に燃料油を円滑に供給する油だめの役目をするもので、フロート式の液面調節器が設けられる
- サービスタンクは容量は、一般にそれが供給する燃焼設備の定格油量の1週間分程度である
- オートクリーナは、フィルタ清掃用の回転ブラシを備えた単室長刑のストレーナで、比較的良質の燃料油のろ過に多く用いられる
- 噴燃ポンプは、燃料油をバーナから噴射するときに必要な圧力まで昇圧して供給するもので、ギアポンプやスクリューポンプが多く用いられる
- 噴燃ポンプには、吹出し圧力の過昇を防止するため、吹出し側と吸込み側の間に逃し弁が設けられる
- 主油過熱器は、噴霧ポンプの吹出し側(出口)に設けられ、バーナの構造にあった粘土になるように燃料油を加熱する
- 吹出し側のストレーナは、噴燃ポンプの吹出し側に設けられ、流量計、調節弁、遮断弁などの目詰まりを防ぐ
- 油遮断弁は、ボイラーの運転停止の際や、低水位塔の異常時に緊急にボイラーを停止する際に、バーナへの燃料を遮断する弁で、バーナの直前に設けられる
- 常温では流動性が悪い燃料油をストレージタンクに貯蔵する場合は、タンク底面にコイル状の蒸気ヒータを装着して加熱する
重油の添加剤に関して
- 燃焼促進剤は、触媒作用によって燃焼を促進し、ばいじんの発生を抑制する
- 水分分離剤は、油中に存在する水分を凝集して沈降分離する(表面活作用との記載は間違い)
- 水分分離剤は、油中にエマルジョン(乳化)状に存在する水分を凝縮し沈降分離する
- 流動点降下剤は、油の流動点を降下させ、低温における流動を確保する
- 低温腐食防止剤は、燃焼ガス中の三酸化硫黄と反応して非腐食物質に変え、腐食を防止する
- 高温腐食防止剤は、重油灰中のバナジウムと化合物を作り、灰の融点を上昇させて、水管などへの付着を抑制し、腐食を防止する
重油の性質に関して
- 重油の密度は、温度が高いと減少する
- 密度の小さい重油は、密度の大きい重油より一般に引火点が低い
- 重油の比熱は、温度及び密度によって変わる
- 重油の動粘度は、温度が上昇すると低くなる
- 密度の小さい重油は、密度の大きい重油より単位質量当たりの発熱量が大きい
ボイラーの気体燃料に関して
- 気体燃料は、石炭や液体燃料に比べて成分中の炭素に対する水素の比率が高い
- 気体燃料は、液体燃料と比べて発生する熱量が同じ場合、二酸化炭素の発生量が少ない
- 気体燃料は、燃焼中の硫黄分及び灰分が少なく、伝熱面や火炉壁を汚染する事がほとんどない
- ガス火炎は、油火炎に比べ輝度低く、燃焼室での輝炎による放射伝熱量が少なく、管郡部での対流伝熱量が多い(H28.燃焼室内での放射伝熱量が多く、対流伝熱量が少ないと記載)
- 天然ガスのうち乾性ガスは、可燃成分のほとんどがメタンで、その発熱量は湿性ガスより小さい(乾性ガス>湿性ガス)
- LNGは、液化前に脱硫・脱炭素プロセスで精製するため、CO2、N2、H2Sなどの不純物を含まない
- LPGは、硫黄分がほとんどなく、空気より重く、気化潜熱が大きく、その発熱量は天然ガスより大きい
- オフガスは、石油化学・石油精製工場における石油類の分類によって発生するガスで、水素を多く含み、その発熱量は高炉ガスより大きい
重油の燃焼に関して
- 粘土の高い重油は、過熱し重油の粘土を下げる事によって噴霧による油の微粒化が容易になる
- バーナで噴霧された油滴は、送入された空気と混合し、バーナタイルなどの放射熱により過熱されて徐々に気化し、温度が上昇して火炎を形成する
- 重油の過熱温度が高すぎると、炭化物生成の原因となる
- 重油の過熱温度が高すぎると、噴霧状態に村が出来、息づき燃焼となる
- 通風が強すぎる場合は、火炎に火花が生じやすい燃焼となる
ボイラーの通風に関して
- 煙突によって生じる自然通風力は、煙突の高さが高いほど、また、煙突内のガスの温度が高いほど大きくなる
- 人工通風は、自然通風に比べ、ボイラーなどの通風抵抗を大きくとることができ、菅群での燃焼ガス速度を上げ」、伝熱特性を向上させることができる
- 押し込み通風は、ファンを用いて燃焼用空気を大気圧より高い圧力をとして炉内に押し込むものである。一般に常温の空気を取扱い、所要動力が小さので広く用いられている
- 誘引通風は、煙道又は煙突入り口に設けたファンによって燃焼ガスを吸い出し煙突に放出するもので、燃焼ガスの外部への漏れ出しがない
- 平衡通風は、押し込み通風と誘引通風を併用した方式で、通常、燃焼室内を大気圧よりわずかに低い圧力に調節する
- 平衡通風は、押し込み通風と誘引通風を併用した方式で、炉内の機密が困難な個体燃料を燃焼するボイラーなどに用いられる
- 所要動力:押し込み通風<平衡通風<誘引通風
- 煙突の理論通風力Z(Pa)は、外気の密度をPa(kg/m3)、煙突内のガス密度をPg(kg/m3)、煙突の高さをH(m)、重力加速度をg(m/s2)とするとZ=(Pa-Pg)ghで表される
ボイラーの燃料の燃焼により発生する大気汚染物質に関して
- SOxは、人の呼吸器系統なのの障害を起こすほか、酸性雨の原因になる
- 排ガス中のNoxは大部分がNOであり、NO2は少量である
- ばいじんの人体への影響は、呼吸器の障害であり、慢性気管支炎の発症率に重大な影響を与える
- ばいじんは、燃焼の条件によって発生量が大きく変化するが、この燃焼条件は、燃料の症状、初期攪拌条件、火炉条件に大別される
- ばいじん発生の抑制には、空気比を適切に保ち、燃料と燃焼空気との混合を良好にする事、燃焼温度を高く保つこと、燃焼滞留時間を長く保つことが必要である
- フューエルNOxは、燃焼中の窒素化合物から酸化によって生じる
- 燃料を燃焼させる際に発生する個体微粒子には、すすとダストがある
- ダストは灰分が主体で、これに若干の未燃物が含まれたものである
- すすは燃焼反応が冷却などにより中断されたり、酸素が十分に供給されなかったりして、分解した炭素がそのまま遊離炭素として残存したもの
空気比に関して
- 空気比とは、理論空気量に対する実際空気量の比をいい、理論空気量をA0、実際空気量をA、空気比をmとするとA=mA0となる
- 空気比が変われば燃焼ガスの成分割合も変わってくる
- 液体燃料で完全燃焼の場合、乾き燃焼ガス中の酸素の体積割合をφ%とすると、空気比mの概算値はm≒21/(21-φ)で求めることが出来る
- 空気比が過大な場合には、燃焼温度が低下したり、排ガス量が多くなるなどの影響がある・NOxが多く発生する
- 空気比が過少の場合には、黒煙が出たり、燃焼効率が低下するなどの影響がある
- 一般に、空気比は、燃焼ガス中のCO2%を計測して判定するよりもO2%を計測して判定する方が合理的である
- 実際燃焼における空気比の概略値は、気体燃料で1.05~1.2、液体燃料で1.05~1.3である
石炭に関して
- 石炭が炉内で加熱されると、まず揮発分が放出され、長炎となって燃焼する
- 石炭を火格子上で燃焼させるとき、揮発分が放出された後に残るのが「おき」で、これは固定炭素が燃焼しているものである
- 固定炭素は、石炭の主成分をなすもので、石炭化度の進んだもの程多い
- 石炭の単位質量当たりの発熱量は、一般に石炭化度の進んだものほど大きい
- 石炭化度が低い石炭は、揮発分が多いため、分解温度になると一時多量のガスを放出する(H28.揮発性が少ない為発熱量は小さいと記載)
- 石炭化度が進んだものほど揮発分が少ない
- 無煙炭は、最も石炭化度が進ん石炭で、燃焼速度が遅いため燃焼滞留時間を長くする必要がある
- 石炭に含まれる灰分が多くなると燃焼に悪影響を及ぼす
- 石炭燃料比は、石炭化度の進んだものほど大きい
石炭の燃焼装置に関して
- 散布式ストーカでは、散布機により大粒径の石炭は遠くに、小粒径の石炭は近くに散布されるが、火格子は後部より前部に移動するので、大粒径の石炭に多くの燃焼時間が与えられる
- バブリング形流動層燃焼装置は、水冷壁で囲まれた燃焼室、底部の風箱及び空気分散板からなっている
- 直接式微粉炭供給装置は、石炭の粉砕後ただちにバーナに送る形式なので、微粉炭機が故障するとボイラーの運転に影響を与えることになる
- 貯槽式微粉炭供給方式は、バーナの負荷が変動しても微粉炭機を最高効率で運転出来る利点があるが、貯槽及びこれからバーナまでの付帯設備が必要である
- 微粉炭バーナは、一般に微粉炭を一次空気と予混合して炉内に噴出し、二次空気をバーナの周辺から噴出するものである
流動層燃焼に関して
- バブリング方式は、石炭などの燃料と砂、石灰石などを多孔板状に供給し、その下から加圧された空気を吹き上げて、流動化した状態で燃料を燃焼させるものである
- 流動層燃焼では、層内に石灰石を装入することにより、炉内脱硫が出来る
- 流動層燃焼は、屋内での伝熱性能が良いのでボイラーの伝熱面積が小さくて済むが、伝熱管の摩耗に対する対策が必要である
- 流動層燃焼では 、燃焼温度が850℃前後である為、Noxの発生が少ない
- 流動性方式では、バブリング方式よりも吹き上げの空気流速が早く、個体粒子は燃焼室外まで運ばれた後、捕集され再び燃焼室下部へ戻される
燃焼及び燃焼室に関して
- 理論燃焼温度とは、基準温度において、燃料が理論空気量で完全燃焼し、外部への熱損失がないと仮定した場合に到達すると考えられる燃焼ガス温度をいう。
- 理論燃焼温度は、燃料の低発熱量に比例し、燃焼ガスの平均低圧比熱に反比例する(H28.)
- 単位時間における燃焼室の単位容積あたりの発生熱量を燃焼室熱負荷という
- 微粉炭バーナを有する水管ボイラーの燃焼室尾負荷は、通常、油・ガスバーナを有する水管ボイラーのそれより小さい
- 実際燃焼温度は、燃料の種類、空気比、燃焼効率などの条件で大きく変わり、局部的な温度は1800℃に達する事もある
ガスバーナに関して
- ガスバーナに歯、拡散形と予混合形があるが、ボイラーにはほとんど拡散形が用いられる
- 予混合形パイロットガスバーナは、混合ガスの流速が速くなってもリテンションリングを設けているため火炎が吹き消える事がない
- 拡散形ガスバーナは、ガスと空気を別々に噴出させ拡散混合させながら燃焼させるもので、燃焼量の調整幅が広く、逆火の危険性が少ない(操作範囲は狭い×)
- センタータイプガスバーナは、空気流の中心にバーナ管を設け、バーナ管の先端に複数のガス噴射ノズルがあるもので、スタビラザで保炎する
- ガンタイプガスバーナは、バーナ、ファン、点火装置、燃焼安全装置、負荷制御装置などを一体化した中・小ボイラー用のバーナである
重油バーナに関して
- 蒸気噴霧式油バーナは、比較的高圧の蒸気を霧化媒体として燃料油を微粒化するもので、霧化特性が良く、油量調節範囲も広い(H28)
- ロータリーバーナは、高速で回転するカップ状の霧化筒により、油を筒の先端で放射状に飛散させ、筒の外側から噴出する空気流によって霧化するもので、中小容量のボイラーに用いられる。
- 低圧気流噴霧式油バーナは、旋回室の中心のノズルから噴射する燃料油を旋回する空気の遠心力によって微細化するもので、比較的小型のボイラーに用いられる(H28)
- 低圧噴霧式油バーナは、4~10kPaの比較的低圧の空気を霧化媒体として燃料油を微粒化するもので、蒸発量が約10t/H以下の比較的小容量のボイラーに用いられる
- ロータリーバーナは筒の内面が汚れると微粒化が悪くなる
- 戻り油形の圧力噴霧式油バーナは、負荷に関係なくほぼ同一油量を供給し、燃焼量を超える油量を油ポンプの吸込み側に戻すもので、油量調節範囲は、非戻り油形のものより広い
- 非戻り油形の圧力噴霧式油バーナは、ファンと圧力噴霧式油バーナの油量調節範囲は、戻り油式のものより狭く、最大油量時の油圧力が2Mpa付近のもので、1~1/2程度までである
- 噴霧式の油バーナのスタビライザは、燃料噴流と空気の初期混合部で、空気に渦流又は旋回流を与えて燃料噴流との接触を早め、着火を確実にし、燃料を安定させるものである
- ガンタイプ油バーナは、ファンと圧力噴霧式油バーナとを組み合わせたもので、蒸発量が3t/H程度以下の比較的小容量ボイラーに多く用いられる
- 圧力噴霧式油バーナは、油圧力が低くなるほど微粒化が悪くなるため、最大油量時の油圧力が2Mpa付近の非戻り油形バーナの油量調節範囲は、1~0.5程度までである
- 圧力噴霧式油バーナは、比較的高圧の燃料油の持つ圧力エネルギーで微粒化を図るものであり、燃焼に適した微粒化を行うため、圧力を0.5~0.7Mpaの範囲に調節する
- 噴霧式油バーナのエアレジスタは、バーナから噴射される燃料油に燃焼用の空気を供給するとともに、これらを攪拌して火炎が安定するように空気流を調整するものである
油だきボイラーの燃焼室が具備すべき要件について
- 燃焼室は、燃料と空気との混合が有効に、かつ、急速に行われる構造であること
- 燃焼室は、燃焼ガスの炉内滞留時間を燃焼間欠時間より長くする事が出来る大きさであること
- 燃焼室は、バーナタイルを設けるなど、着火を容易にする構造であること
- 燃焼室に使用する耐火材は、予定の燃焼温度に耐え、長時間使用しても焼損、スラグの溶着などの障害が生じないものであること
- 燃焼室の炉壁は、空気や燃焼ガスの漏入、漏出がなく、放射熱損失の少ない構造であること
重油燃焼ボイラーの低温腐食について
- 軟鋼は、濃硫酸には耐えるが、希硫酸には激しく侵され腐食する
- 金属の表面温度が硫酸蒸気の露点以下になると、腐食量は急激に増加する
- 低空気比燃焼は、SO2からSO3への転換を抑制して燃焼ガスの露点を下げるので、低温腐食に効果がある
- エコノマイザの低温腐食防止対策として、給水加熱器の使用などにより、給水温度を高める方法がある
- 空気予熱器の低温腐食防止対策として、蒸気式空気予熱器を併用して、入口空気温度を上昇させる方法がある
- 空気予熱器の低温腐食対策として、空気予熱器の一部をバイパスさせて、出口ガス温度を上昇させる方法がある(入口×)
- 空気予熱器の低温腐食対策として、空気予熱器の伝熱板の材料に比較的耐食性の良いセラミックやエナメル被覆鋼を使用する方法がある
液体燃料1kg当たりの理論酸素量O(m3)は、燃料1kgに含まれる炭素、水素、酸素及び硫黄の量をそれぞれc,h,o及びsとすれば、次式で表す
- O=22.4/12c + 22.4/4(h-o/8) +22.4/32s
硫黄1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量の値は?、なお、硫黄が完全燃焼してから二流化硫黄になる反応式はS+O=SO2である
- 質量:S=32 O=16 SO2=62
- 体積: O=22.4m3SO2=22.4m3
- 理論酸素量=22.4/32=0.7m3n/kg
炭素1kgを完全燃焼させるのに必要な理論酸素量の近似値は?なお、炭素が完全燃焼して二酸化炭素になる反応式はC+O=CO2
224/12=1.87m3/N(C:質量12kg O2質量32kg
1.87/0.21≒8.9m3n/kg
温度5℃で100Lの重油の標準温度(15℃)における体積の近似値は、次のうちどれか?ただし、重油の体膨張係数を0.0007℃する
- 標準温度における体積=測定時の体積/{1+重油の体膨張係数(測定時の温度-重油の標準温度)}
- =100/{1+0.0007(5-15)}
- =100.7L
ファンに関して
- ボイラーの通風に用いるファンは、比較的風圧が低く、送風量が大きい事が必要であり、さらには誘導ファンは、摩耗や腐食に強い事が必要である
- 多翼形ファンは、羽根車の外周近くに浅く幅長で前向きの羽根を多数設けたもので、効率が低い
- 多翼形ファンは、小型・軽量・安価であるが、高温・高圧・高速の送風には適さない
- 後ろ向きファンは、羽根車の主板及び側板の間に8~24枚の後ろ向きの羽根を設けたもので、効率が良く、大容量の送風に適する
- ラジアル形ファンは、中心の回転軸から放射状に6~12枚の平面状の羽根を設けたもので、効率は低いが、強度があり、摩耗、腐食に強い(H28)
燃焼により発生する煤塵に関して
- 燃料を燃焼させる際に発生する個体微粒子には、すすとダストがある
- すすは、燃焼反応が冷却などにより中断されたり、酸素が十分に供給されなかったりして、分解した炭素がそのまま遊離炭素として残存したものである。ダストは灰分が主体で、これに若干の未燃物が含まれたものである(H28.すす:冷却 ダスト:灰分)
- ばいじんは、燃焼条件によって発生量が大きく変化するが、この燃焼条件は、燃料の性状、初期攪拌条件および火炉条件に大別される
- ばいじん発生の抑制には、空気比を適切に保ち燃料と燃焼空気との混合を良好にする事、燃焼温度を高く保つ事及び燃焼滞留時間を長く保つ事が必要である
- ばいじんは、慢性気管支炎の発症率に大きな影響を与える
排ガス中のNoxを低減する燃焼方法に関して
- 燃焼によって生じるNoxは、燃焼性が適切な空気比で最大になり、空気比がそれより大きくても小さくても減少する
- 燃焼用空気を一次と二次に分けて供給し、燃焼を二段階で完結させて、Noxを低減させる方法がある
- 空気予熱器を設置しないで火炎温度を低下させてNoxを低減させる方法があり、この方法では排ガス熱は、エコノマイザを設置して回収する(エコノマイザと空気予熱器に関する記載が逆)
- 可能な限り理論空気量に近い空気比で燃焼させてNoxを低減する方法があり、省エネルギー対策にもなる
- 燃焼用空気に排ガスの一部を混合して燃焼ガスの体積を増し、酸素分圧比を下げるとともに燃焼温度を下げ、Noxを低減する方法がある
- 燃焼領域の一方を低空気比で燃焼し、他方を高空気比で燃焼して、全体として適切な空気比でボイラーを運転しNOxを低減する方法がある
熱損失に関して
- 不完全燃焼ガスに関する損失は、燃焼ガス中にCOやH2などの未燃ガスが残った時の損失である(H28.H2の記載が抜けている)排ガスに熱による損失より小さい
- 排ガス熱による損失は、乾き排ガス中のCO2の体積比にほぼ反比例する
- ボイラー周壁からの放射熱損失は、ボイラーの容量が大きいほどその割合は小さい
- 燃えがら中の未燃分による損失は、油炊き及びガス炊きでは、ほぼゼロであるが、石炭の火格子燃焼では10%に及ぶものがある
- ボイラーの熱損失には、蒸気や温水の放出(ブロー)漏れによる損失も含まれる
- 空気比を小さくして完全燃焼させることは、排ガス熱による熱損失を小さくするために有効である
- 排ガス熱による損失は、煙突へ排出されるガスの保有熱による損失である
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